碓氷峠鉄道文化むらで保存されているEF63形電気機関車と189系電車(クハ189-5+モハ189-5)の車体修繕工事(塗装工事)が終了しお披露目のイベントが7月11日に行われました。当初は3月に行われる予定でしたが、コロナウィルスの影響で延期となりましたが、規模を縮小する形で何とか実施することができました。
 当日は、午前中の雨も止んでセレモニーが始まる時間帯には曇り空となり、予定通り189系電車の車内公開も行われました。再び美しくなった189系電車2両が末永く横川の地で保存されることを願います。

(T)美しく蘇った189系2両とEF63形
 今回、修繕(再塗装)されたのは189系2両(クハ189-5+モハ189-5)とEF63形電気機関車です。全て再塗装が施されました。EF63形電気機関車については往年の姿を思わせる美しさで修繕されました。189系の方は、現役の頃の「あさま」色とは少し色調が違うような気がしますが、修繕前の状態からここまで修繕されライトまで点灯できるようにしてくれたのは感謝でいっぱいです。
 今までは、離れた場所に置かれていて保存車なのか保管車なのか良く解らない状態でしたが、今回の修繕完了を気に案内看板も設置され保存車両として見る事ができるようになりました。
 

新たに説明板が設置されました
 

189系説明板とクハ189-5
   

EF63 11と並びます
 

隣のEF63 12も入れて3並び
 

正面から撮影
 

グレーの色合いが少し違うような気がしますが美しく復元されました
 

ヘッドライトも点灯し美しく輝きます
  

189系とEF63形のサイド3並び
 

トロッコ列車より撮影
 
(U)塗装完成記念セレモニー
 12時30分から記念セレモニーが行われました。普段は入れない広場へ臨時踏切を使い移動します。今日は小雨が降った後で足音がぬかるんでいて足元には細心の注意が必要でした。
 セレモニーでは来賓の挨拶や吹奏楽の演奏が行われました。セレモニーの終わりには、サプライズ企画として189系とEF63型の警笛の競演がありました。EF63については体験運転で聞く機会はあるのですが、189系の警笛は普段聞く機会がありません。久々に横川の町に響いた189系の警笛にEF63の警笛が加わり現役時代を見ているような懐かしい「音」の共演でした。
 

塗装完了記念セレモニー
 

記念演奏
  

EF63 11もライトを点灯させてクハ189-5と共に記念の警笛を鳴らしました
(189系側:安中市長・EF63側JR東日本高崎支社長)
  

189系乗車時の注意事項
 
 
(V)189系車内見学
 セレモニーが終わると189系電車の一般向け公開が始まりました。新型コロナウィルスの影響で車内に入る人数を制限しての公開となりました。だいたい40分くらい待って車内に入ることができました。モハ189-5の後部貫通ドアから入り先頭のクハ189-5の乗務員ドアから降りるルートで、運転台の見学待ちを入れて20分程度の車内見学となりました。
 
■8号車:モハ189-5
 まずは、モハ189-5の見学になります。こちらは、特急あさま号時代には11両の189系N207編成の10号車として利用されていました。グレートアップ車(時刻表では「デラックス車両」)の自由席として使われていたので車内はR51AN形簡易リクライニングシート(1段ロック・バケット化改造済)です。シートのモケットは、初代グレートアップ車のモケットのままとなっています。洗面台は、指定席車両と同じ物に取り換えられています。通路の装飾も傷んでなく「グレートアップあさま」の自由席を懐かしむには不足はありませんでした。
 

モハ189-5車両外観
  

トロッコ列車から撮影
 

トロッコ列車線路側の行先表示
 

洗面所
  

客室内へ
  

車内の様子
  

初代グレートアップ車のシートモケット
 

通路の装飾も懐かしいです
  
■9号車:クハ189-5
 続いてクハ189-5の見学をします。こちらは、運転台見学待ちの人で混んでいて満足な撮影はできませんでした。この車両は9両編成のリフレッシュ編成でN104編成の9号車自由席として使用されていました。車内は、R51AN形簡易リクライニングシート(1段ロック・バケット化改造済)です。シートのモケットはブルー系に張り替えれています。
 車内的には座席の改造の他は特に変化も無いのですが、この車両の洗面所には自動販売機が設置されています。一時期、「あさま」「あずさ」の一部に自動販売機が設置された時期がありました。種類は多くありませんが、高崎支社で発売していた「大清水」(ミネラルウォーター又はお茶のどちらか)は必ずラインナップに入っていました。平成6年あたりから徐々に使用停止となり一部は取り外した車両もあるとは聞いていましたが、まさか廃車後の譲渡時にも自動販売機を撤去せずにそのままの状態で譲渡され保存されているとは思いませんでした。今回のイベントで一番の収穫でした。
 この車両では、運転台の見学もできました。
 

車両外観
 

ロゴマーク
 

広場側の行先表示
  

なんと洗面所に自動販売機が残っていました


枕カバーさえあれば現役時代を思わせる雰囲気が残っています。
  

通路が混んでいたため車内の様子は縦位置で
 
リフレッシュ編成のシートモケット
 
座席背面
 

運転台にも入ることができました
  

運転台メーター類
 

運転席
 

長野総合車両所標記の消火器
■この度は車内見学と言う貴重な機会を設定していただきありがとうございました。■