189系電車の塗装

  2018年4月更新
■国鉄色(現在は消滅)
 189系の登場時の塗装です。183系1000番台と同一の塗装で、国鉄時代の昼行用特急電車の標準的な塗装で、485系も183系も全国的にほぼ同じ塗装で統一されていました。
 189系は、1992年以降に「あさま」「あずさ」のイメージアップで塗装変更されて一時的に国鉄色は消滅しましたが、21世紀に入り「あずさ」から引退して関東へ転属する編成には、再び国鉄色を塗装して関東地区へ転属しました。なお、塗装変更時にシンボルマークは取り外してしまいましたので、シンボルマークの無いまま転属しました。(イメージ的には、下の国鉄色(窓回り赤帯)の先頭部と同じです。)
 この塗装は、豊田車両センターに配属されているM51編成の中間車で見ることができましたが、2018年4月に廃車となり消滅しました。

   189系アコモ改善車は、特急あさま号の運転終了後は、特急あずさ号に転用されましたが、特急あずさ号から引退後は、国鉄色で関東へ転属することになりました。従来の国鉄塗装では、拡大した窓と赤帯が上下幅で重なってしまうため、拡大された窓に合わせて赤帯が太くなりました。なお、編成美を保つために従来の一般車も、赤帯を太くした車両が存在します。この塗装は、豊田車両センターに配属されているM51編成で見ることができましたが、2018年4月に廃車となり消滅しました。

■あさま色
 183系特急あずさ号に続いて、特急あさま号用に1990年7月から登場した189系アコモ改善車に採用された塗装です。当時は、従来の編成をリニューアルした際には派手な塗装にする時代でしたが、「あさま」に関しては「フォギーグレー」の車体色に窓回りに「アイビーグリーン」、窓下にグレーの細帯を施した落ち着いた塗装となり逆に好評となりました。
 1992年からは、従来の189系(一般車・国鉄色)で運転されていた編成も座席交換等のリフレッシュ改造を行うこととなり、その際に特急あさま号はこの塗装で統一されました。
 特急あさま号の運転が終了した現在でも、長野総合車両センターに所属する189系6両編成(N102編成・N103編成)には「あさま」色が引き続き採用されています。

■あずさ色(現在は消滅)
 1992年から特急あずさ号のイメージアップのため、デラックス編成・一般車両編成共に「フォギーグレー」の車体色に窓回りに「アルパインブルー」、窓下に「ファンタジーバイオレット」のカラーに順次変更されてゆきました。「あすさ」用として松本に配置されていた一部の189系(中間車)もこの塗装に変更されました。
 1997年に特急あさま号の運転が終了した後は、「あずさ」用に189系デラックス編成が使用されるようになり、189系電車にも急速にこの塗装が広まりました。
 183系・189系が「あずさ」「かいじ」から引退した後は、首都圏へ転属が決まった編成から順次、国鉄色に戻されて転属したため「あずさ」色の車両は急速に減少してゆきました。さらに幕張車両センター所属の183系2本が廃車となったことから、「あずさ」色は豊田車両センターの189系M50編成1本(6両)のみで見られましたが、2018年1月に廃車となり消滅しました。

■(初代)あずさ色(グレートアップあずさ色)(現在は消滅)
 1987年12月に、高速バスに対抗して登場した183系デラックス編成(グレートアップあずさ号)に施された塗装です。JR東日本発足の年(12月)に登場し、白い車体に裾周りはベージュ、窓回りにグリーンとレッドのラインが貫く塗装は、まだ国鉄色ばかりだった当時は大きな話題になりました。
 グレートアップ車は、全て183系の編成のみでデラックス化の改造工事が行われ、松本に少数配置されていた189系(中間車)には実施されませんでした。
 2014年12月に豊田車両センターに配置されている189系M52編成に、このグレートアップあずさ号色が復刻塗装され、189系では初めてのグレートアップあずさ号色が登場しました。形式は違いますが、同じ183系列ですので、当時のグレートアップあずさ号を彷彿とさせる懐かしい姿を見ることができるようになりました。この塗装は、2018年4月に廃車となり消滅しました。

■彩野色(現在は消滅)
 2006年3月まで、小山車両センター「Z45編成」として「彩野」の愛称で鎌倉や日光方面の臨時快速列車として活躍してきました。この編成は、「あずさ」から引退後に大宮工場で室内のリフレッシュ改造等も行い、主に臨時快速「やすらぎの日光」に使用されていました。
 2006年3月から、JR東日本と東武鉄道で特急列車の相互直通運転が始まり、その後の動きに注目が集まりました。この編成は、JR側の東武鉄道直通列車の予備編成(繁忙期は臨時列車用)として使用されることになり、東武鉄道の保安装置を搭載し塗装変更され、彩野色は消滅しました。
 この、ある種独特な塗装は人にって好き嫌いがはっきりした塗装でしたが、現在は見ることが出来ません。なおこの編成は、小山車両センタ−から大宮総合車両センター車両検査科東大宮センターに転属し「OM201」編成になりました。(2011年に廃車)

東武直通色(正式名称でありません。現在消滅)
 2006年3月から、JR東日本と東武鉄道で特急列車の相互直通運転が始まりました。JR東日本からは485系改造の専用車両が準備されましたが、1編成のみの改造だったため予備車両がなく日光方面への臨時快速に使用されていた「彩野」を予備編成とすることになり、485系東武線乗り入れ車両に準じた塗装に変更されました。
 なお、この編成は検査時や非常用の予備編成ですので、通常は団体臨時列車や臨時快速列車に使用される予定でしたが、東武直通特急が好調なことから、週末は東武直通の臨時特急に使用されました。
 なお、この編成は小山車両センタ−から大宮総合車両センター車両検査科東大宮センターに転属し「OM201」編成になりました。東武乗り入れ編成に253系1000番台投入につき、その役目を終えてしばらく長野総合車両センターに2011年10月に解体されました。