特急:ひだ10号(HC85系)
 高山−名古屋_
2022年 9月25日(日)乗車_ 


ずっと乗りたかったHC85系

 2022年7月から営業運転を始めたJR東海の新型特急車両(HC85系)に乗車しました。この車両は、特急ひだ号の一部に使用されていています。この特急型のハイブリット車両に私も本当はもう少し早く乗車したかったのですが、色々用事やら仕事が重なりようやく乗れることになりました。
 新車ブームも落ち着いた今日この頃、非電化区間を走る電車と言われるハイブリットシステムを採用した新型の特急列車の旅を初秋の高山本線で楽しみました。
  
高山駅でHC85系と初対面

 高山市内の観光を終えて11時50分位に高山駅に戻ってきました。本当は、もう少し見たい場所もありましたが、新型のHC85系を使用した特急ひだ10号に乗車するため早めに高山を発ちます。高山駅は、列車別改札を行っているので早めにホームに入れません。特急列車利用者は、特急用の待機列スペースに並ぶ事になります。12時34分発の特急ひだ10号の改札は12時15分なので待合室で荷物の整理をしながら待ちます。
 高山駅2番線に特急ひだ10号が入線したのを確認して12時15分時間正確に改札が始まります。という事で入線時の撮影はできません。改札に入りいよいよHC85系との対面です。まだ真新しさが残る艶々したステンレスボディーの車両が6両停車しています。まだ時間が早いので乗客が乗っていない空の車両の室内を撮影してから自席に荷物を置いて外観の撮影をします。
 編成写真も撮影はできましたが、今日は2両増結の6両ですのでホーム端から広角でギリギリ撮影できた感じです。それにしても停車中はアイドリングストップになっているのか静かです。近くで見る限り電車そのものです。(まぁ、形式上は電車ですが。)
 いろいろ撮影して発車の5分前に車内に入り発車の時を待ちます。私が乗った3号車の指定席は3割ぐらいの乗車です。まぁ、発車時間を考えれば普段はこの程度の乗車率なのでしょう。 
 

高山駅発車案内
 

始発の高山駅
 

本日は6両で運転
 

シンボルマーク
 

高山駅停車中
 

駅名表示を合わせて
 

行先表示
 

編成写真も辛うじて撮れました
 

高山駅舎
 

列車別改札で暫く待機
 

HC85系の紹介
 

HC85系マーク
  

HC85系サイド
 

座った感じの車内
 
 
HC85系新型特急ひだ10号で名古屋へ

 特急ひだ10号は、12時34分定刻に高山駅を発車します。やはり発車時にはエンジンを使うので電車みたいな静かな発車とはなりません。ただ、キハ85系とは違いにエンジンの回転数は一定で静かです。駅発車時の加速もスムーズにショックも無く発車します。これは本当に電車なのかも解りません。車内では、噂の現代風にアレンジされた「アルプスの牧場」(ロングバージョン)が流れます。まさか、2022年になって国鉄型気動車に搭載されていた「アルプスの牧場」がアレンジされたとしても新型車両に搭載されて聞くことができるとは思いませんでした。
 高山駅を出た特急ひだ10号は、市街地を出て田園地帯を進みます。さすがは新型車両だけあって揺れはありません。エンジン音もキハ85系に比べれば静かですが、やはりエンジン音が大きくモーター音はほとんど聞こえません。車内の方は、2両増結の6両編成という事もあり空席が多いです。列車は、山間部に入り宮川を渡り暫くは宮川に沿って進みます。この間で高山駅で購入した「飛騨牛しぐれ寿司」を食べます。これが駅弁の「おかず」なの?。と思うぐらいやわらかい飛騨牛のローストビーフは美味しかったです。これをHC85系の車内で食べられたのは大収穫でした。お値段は、やはりお高めでしたが、本当に美味しいものはそれなりの費用負担を・・・。という事でしょうか。
 

昼食は「飛騨牛しぐれ弁当」
 

高山盆地を進みます
 
 列車の方は、飛騨一宮を通過して長いトンネルを通過すると久々野駅を通過するといよいよ飛騨川に沿って進みます。とは言え、山間部を進むので飛騨川が見えるポイントは多くはありません。列車は左右にカーブして飛騨川に沿うように進みます。地形的にトンネルで直線で線路が敷設された箇所は何回も飛騨川を渡るので左右どちらの席でも飛騨川を車窓に楽しむことができます。しばらく山間部と飛騨川の景色を楽しむと飛騨小坂駅に停車します。新型のHC85系はハイブリット車と言われるように駅停車時は本当にアイドリングストップして静かな車内となります。大げさに言えば電車以上に静かかも解りません。ただ、発車時はやはりバッテリー電力も併用はするのでしょうがエンジン音が大きくなります。それでもキハ85系に比べれば静かです。
 飛騨小坂を出ると私の席の方は、しばらく山側となり県道88号線と並行します。飛騨川を渡りこちら側に飛騨川が見えるはずですが、線路とは離れてしまい見る事はできません。暫くは飛騨川と線路の間に市街地が広がり飛騨荻原に停車します。飛騨荻原を出ると市街地を出て飛騨川を何回か渡ります。この間は飛騨川と線路の間に林や住宅街があり飛騨川は見えません。しばらく進むと温泉街が見えてきて下呂に停車します。下呂からの乗車は多く、相席にはなりませんが窓側はほとんどの席が埋まりました。下呂は温泉街ですので2名客が多く通路側も結構埋まります。特急ひだ号は下呂からの乗車が多いようで車内もにぎやかになりました。
 
 下呂から先は飛騨川は見えません。見えるのは山だけです。ようやく飛騨川を渡りこちら側の車窓に来るかと思いきやカーブしてトンネル・・・。トンネルを出るとこちら側の車窓に飛騨川が移り飛騨川に沿って進みます。列車は飛騨川に沿って進むので左右にカーブして時折トンネルを通過しますが飛騨川に沿って車窓が続きます。今回はD席を確保して正解でした。一旦、飛騨川と離れて集落に入ると飛騨金山に停車します。飛騨金山を出ると山林に阻まれて飛騨川はチラチラ程度しか見えません。さらに田園地帯を走行するようになり飛騨川は少し離れた場所を流れているようです。しばらく田園地帯を走行すると再び飛騨川が見えてきました。
 

山間部では何回も飛騨川を渡ります
 

飛騨川に沿って進みます
 
 この辺りは、「火道角れき岩」と呼ばれる景色の良い区間だそうで、繰り返しますがD席を確保して正解でした。しばらく飛騨川に沿って進み車窓も大当たりで大満足なひと時が過ぎます。が、そう甘くはないようで、名倉ダムを過ぎると飛騨川と離れて集落の中を通過して飛騨川を渡りしばらくすると、車窓に「道の駅美濃白川」が見えてきました。列車は減速して鷲原信号場に停車します。ここで下りの特急ひだ10号と行き違いになります。エンジンもストップして静かな車内で特急ひだ10号を待ちますが・・・。特急ひだ10号は4分程度遅延しているとのこと。ちょっとトイレに行くとデッキにナノミュージアムの展示がありましたので見て歩きました。高山を出る時点から通路をウロウロする人が多いかと思ったらナノミュージアムの展示を見て歩いていたようです。トイレ付きの車両(1号車・3号車・5号車の各デッキ)に高山本線沿線の工芸品が展示されています。車内を見ると自由席はほぼ満席状態。指定席も6割ぐらいは埋まっています。ナノミュージアムを見終わり席に戻る頃、自動放送でも交換列車遅れの放送が流れます。その直後に特急ひだ10号が通過しました。
 

時々、飛騨川のダムが見えます
 

HC85系連結部
 
 鷲原信号場を出ると林に阻まれ飛騨川は見えません。長いトンネルを抜けると第一飛騨川橋梁を渡ります。そして飛騨川は反対側の車窓に移りこちら側は山ばかりの退屈な車窓になります。そして列車は白川口駅に止まります。本来はすぐに発車ですが、先頭部で写真を撮る家族連れが数組がホームの内側に下がらないので車外スピーカーで何回呼びかけてもガン無視で子供の写真を撮るまで退かず4分遅れが5分遅れになってようやく出発。手なんか振ってる場合じゃないよ。列車の方も山間部なので速度も出せず進みます。もうこちら側からは飛騨川は見えないので見えるのは山と集落だけです。反対側の車窓は飛騨川が見えています。高山本線での特急ひだ号でA席・D席どちらが良いかと言えばどちらも同じでしょうか・・・。反対側の車窓も飛騨川が離れて住宅街が増えてくると美濃太田に到着します。美濃太田を出ると住宅街を進み鵜沼に到着。名鉄線は乗り換えですので僅かな降車がありました。鵜沼を出るとしばらく名鉄線と並行して進み住宅街を進み新荒田川を渡ると市街地に入り東海道本線の高架が近づき高山本線も高架に入るため上り勾配を進みます。程なくして岐阜に到着します。
 

岐阜で進行方向が変わります
 

庄内川を渡ると終点名古屋です
 
 岐阜では、ほとんどの乗客が降りてしまいました。岐阜では進行方向が変わります。停車時間を短縮し続けたので岐阜は3分程度の遅れで発車しました。座席を回転させようか迷いましたが、誰も回転させませんし向かい合わせにしたら何か言われそうなのでそのままで過ごします。天下の東海道本線に入った特急ひだ10号は、3分遅延もあって最高速度の120キロで走行しているかと思います、車内表示に時々表示される走行状態の画面にも「バッテリーアシスト中」の表示が時々出ました。
 先程まで飛騨川に沿って進みましたが、その飛騨川が流れこんだ木曽川を渡り尾張一宮に停車します。尾張一宮を出ると再び最高速度一杯で走行します。座席の方向は反対向きながらHC85系の最高速度を体験できたのは収穫です。住宅街を進み稲沢駅を通過し庄内川を渡ると名古屋市街に入り速度を落とします。「アルプスの牧場」(ショートバージョン)が流れ名古屋到着を知らせます。案内放送が終わる頃、特急ひだ10号は定刻に名古屋駅に到着しました。ダイヤに余裕があるのか岐阜での3分遅延を取り戻し何事も無かったかのように名古屋駅4番線に到着しました。名古屋はまだ夏のように暑かったです。高山から2時間31分、気動車のような電車のような不思議なハイブリット特急の旅は終了しました。
 

名古屋に到着
 

名古屋車両区へ入区します
 
 
普通車車内の様子など


普通車車内
 
 今回は普通車指定席を利用しました。グリーン券はありませんのでグリーン車は見ていません。
 普通車指定席は、知人の方がN700系Sとほとんど同じ。違うのはモケットだけ。と言っていましたが、実際に私はN700系Sに乗ったことが無いので良く解りません。
 座席は、肘掛けのリクライニングレバーの下にコンセントがありスマホ充電できます。観光地もQRコードでスマホ画面を使い解説する施設が多くなっているので有り難いです。また、Wi−Fiも使えます。座席は背もたれが高くリクライニングしてもゆったりと頭の置場があります。なお座面は前に出ません。
 

紅葉と花火をイメージした赤系の座席
 

車椅子用座席
  
■フルカラー液晶車内表示器
 客室の両端にはフルカラーディスプレイの車内表示器が設置されています。通常は、列車名・行先や停車駅・次駅の案内など標準的なものが流れますが、HC85系については現在のハイブリットシステムの作動状況も適時表示されます。ちょっと車窓に飽きた時に見てみると結構面白いです。
  

車内案内表示
 

加速時の状況
 

必要に応じてバッテリーの電力も使います
 

減速時には回生ブレーキの電力を充電
 

■デッキ部にあるナノミュージアム
 新型の特急ひだ号(HC85系)のトイレ・洗面所が設置されている車両のデッキには、沿線の工芸品を展示するナノミュージアムが設置されています。私が乗車した日は6両編成でしたので1号車・3号車・5号車にありました。実は私は、このナノミュージアムを失念していて、この列車は車内をウロウロする人多いな。新型車両だからかな。と思っていましたが、実はこのナノミュージアムを見るために各車両を回っていた人々でした。定期特急でのこのような展示は珍しいので皆さん盛んにスマホで撮影していました。
 

1号車:岐阜団扇(岐阜市)
 

1号車:美濃和紙(美濃市)
 

3号車:一位一刀彫(高山市)
  

5号車:飛騨春慶(高山市)
 

特急券(指定席)

   今回は、イベント列車では無く毎日走る定期列車ですので特急券(指定)は普通に購入できました。仕事の関係で急遽1日順延したので「乗変」「2日以内に変更」が入っています。
 今回乗車した特急ひだ10号は、2両増結した6両編成でしたので日付の変更をした時もe5489で自由に座席が選べました。JR西日本のe5489もJR東海絡みの列車に限りJR東海の主な特急停車駅で受け取れるので便利です。