485系5000番台「いろどり」最終運転  
団体:ありがとういろどり号(大糸線コース)  松本−白馬−長野
2017年 9月30日(土)乗車_ 



 2007年1月から団体用の多目的電車として営業運転を開始し、時には座席の設備を生かして多客臨などでも活躍した「いろどり号」。晩年は、交流機器を使用停止にして直流用の485系5000番台として活躍してきました。ただ、老朽化のため今回の「信州ディスティネーションキャンペーン」関係の多客臨・団体列車を最後に引退することになり、9月30日に「さよなら運転」の団体列車が最後の運転となりました。
 当日は、長野から「辰野」を経由して富士見へ向かい、折り返して「みどり湖」経由で松本へ戻る「中央線コース」(午前)。松本から大糸線を白馬へ向かい、折り返して松本経由で長野へ向かう「大糸線コース」(午後)の2コースが設定されました。
 私は、本当に最後の営業運転となる「大糸線コース」に参加して、最後の「いろどり」の旅を楽しみました。なお、485系5000番台「いろどり」は、最後に10月14日に開催予定の「長野鉄道フェスタ」(長野総合車両センター一般公開)で最後に展示が予定されています。(変更の場合あり)
 
■乗車前の撮影
 私が乗車する「ありがとういろどり号」(大糸線コース)は午後からの運転となるので、午前中は「ありがとういろどり」(中央線)コースの走行シーンを撮影しました。とは言え、1ヵ所しか撮影できないので、まだ「いろどり」を撮影したことが無かった「坂北カーブ」で撮影しました。光線具合は良いのですが、ヘッドマークが何も見えない(表示はされている)のが少し残念でした。
 これにて、本線上を走る485系5000番台「いろどり」の撮影は終了となりました。

 富士見へ向かう「ありがとういろどり」(坂北−西条)
 
  ※「ありがとういろどり号」は、動画で公開しているシーンもあります。 
   
T.特急しなの12号で松本へ【長野12:01−松本12:52】
 坂北で485系いろどり号の撮影をした後は、長野駅へ移動して特急しなの12号に乗車します。早めに長野駅に到着しましたが、列車自体は早めに入線しているので車内で発車まで待つことができました。
 ちょうど昼の時間帯だからか、自由席も大した混雑にはならず篠ノ井からも相席にならず快適に松本まで特急しなの号の旅を楽しむことができました。この時間帯の特急しなの号はもう久しく乗ってません。昼下がりの時間帯を走行ますが、善光寺平バックや明科付近の北アルプスの車窓など、太陽の日が当たる角度が変わると朝とは違う風景に見えます。今日は、相席なしで松本まで乗車できました。上りの特急しなの号で松本まで相席なしで乗れたのは久しぶりのことです。
 
U.大糸線を松本から白馬へ【9333M:松本13:38−白馬15:23】
 松本から「ありがとういろどり号」に乗車します。松本駅4番線に田沢から回9224Mとして回送で到着した「いろどり」は、まず車内清掃の方々を降車させてから乗車となります。まだ少し時間に余裕があるので先頭部などを撮影します。そして、指定された6号車へ。今日は2列席の窓側に乗車します。最後の乗車となるのですが、残念ながら枕カバーは付いてません。臨時快速では無く団体臨時列車、ましてや「いろどり」のさよなら運転ですので、枕カバー無しは格落ちしたようで非常に残念です。今回の席は、下りは窓割がよく景色も楽しめそうですが、上りは景色を楽しむのは厳しいかもしれません。
 松本駅や長野支社の方々に見送られて「ありがとういろどり」(大糸線コース)の旅が始まります。まずは、大糸線を北上して白馬へ向かいます。車内は、団体臨時列車ですのでほぼ満席です。松本を定刻に出た列車は、篠ノ井線と別れて大糸線を北上します。今日は団体列車ですので運転停車はあってもドアは開きません。梓川を渡り車窓が市街地から米の収穫が終わった秋らしい田園地帯に変わり安曇野に入ります。昼下がりで光線具合は良くありませんが、今日は秋晴れの北アルプスがはっきりと見ることができました。ただ、アルプスとは反対の席なので景色そのものを楽しむことができないという・・・。列車は豊科で交換のため少々停車してさらに北上します。穂高を過ぎて、わさび田が車窓に見えてくると穂高川を渡ります。この辺りが大糸線で北アルプスがよく見える車窓が続きます。高瀬川を渡ると列車は大町市に入ります。信濃大町では停車してドアを開けるようですが、停車時間は1分と言う短さですぐに発車します。多分、帰路との調整のため停車扱いにしたのでしょう。
 信濃大町を僅かな停車時間で発車した「ありがとういろどり」は、北大町を過ぎて車窓見せ場である「仁科三湖」を通過します。私の座席とは反対側なのでデッキへ移動して車窓を楽しみます。信濃木崎付近から木崎湖・中綱湖・青木湖と簗場付近まで三つの湖を楽しむことができます。途中の簗場駅で、特急あずさ26号と特急しなの84号の交換待ち合わせでしばらく停車となります。この列車は、ほとんどが鉄道ファンですので、こういう駅でも客扱いしてほしいですね。仁科三湖の車窓を楽しむと列車は山間部を抜けて白馬に到着します。
 

松本駅発車案内
 

松本駅に停車中の「いろどり」
 

松本駅にて
 

白馬に到着
 

「いろどり」ロゴマーク
 

今日は6号車に乗車
 

篠ノ井線と別れます
 

車内で遅めの昼食
 

梓川を渡り安曇野へ
 

豊科で4328Mと交換
 

今日はアルプスも見えます
 

わさび田を通過
 

穂高川を通過
 

北アルプスを見ながら北上
 

高瀬川を渡り大町へ
 

信濃大町に1分停車
 

青木湖畔を通過

海ノ口駅を通過

白馬に到着
 
V.白馬から松本へ【9334M:白馬16:20−松本17:55】
 白馬駅で折り返しの時間を利用して485系5000番台の撮影をして、ふたたび「ありがとういろどり」に乗車します。座席位置は団体列車なので同じですが、上りの場合は窓割があまり良くなく景色は見難いです。
 白馬駅の方々や高校生に見送られて「ありがとういろどり号」は白馬駅を発車します。もう、485系5000番台「いろどり」が白馬に来ることはありません。これから松本までは、いろどり号にとって大糸線のラストランになります。列車は、西日差す大糸線を快調に進みます。ただ、窓割が良くないので景色がよく見えず暇です。ということで、コンパートメントに乗車している知人の元へ少しお邪魔します。幸い他の客はどこかへ行っていていないので、少しばかり談笑して過ごします。これで、コンパートメント席の乗り収めもできました。列車は、山間部を抜けて「仁科三湖」を通過します。青木湖を辺りを通過中に西日がコンパートメントの通路にまで差し込んできました。車内はちょうど退屈になる時間なのか静かでのんびりとした時間が流れます。列車は淡々と進み信濃大町に到着します。
 信濃大町では10分ほど停車します。信濃大町では、発車案内や記念撮影ボードが「ありがとういろどり」モードになっていて驚きました。信濃大町でいろいろ撮影すると停車時間もあっという間に終わります。列車は、信濃大町を出て夕食用の弁当が配布されます。列車の方は、高瀬川を渡り安曇野に入ります。季節はもう秋、夕暮れも早くなり車窓も徐々に暗くなってきます。沿線では、まだ頑張って撮影している方も見受けれます。列車は、有明駅で長時間の運転停車を行います。北アルプスが美しく見える有明駅。ちょうど夕暮れの時間帯でアルプスもオレンジ色に輝いています。この美しい光景は車内ではなく、ホームからじっくり見たかったです。有明を出ると穂高・豊科と列車は進み梓川を越えて安曇野に別れを告げ松本へ。松本駅到着前に松本運輸区から(松本運輸区として)最後の車内放送が行われました。そして、篠ノ井線と並走して夕闇迫る松本駅に到着します。
 

白馬駅に到着
 

リゾートビューふるさと号との並び(踏切非作動)
 

白馬駅に停車中の「いろどり」(公園より撮影)
 

見送りの太鼓演奏
 

白馬駅にて(6号車側)
 

白馬駅にて(1号車側)
 

間もなく白馬を発車
 

信濃大町で10分停車
 

信濃大町駅発車案内
 

信濃大町にて
 

信濃大町にて
 

有明駅で運転停車
 

松本に到着
 

ヘッドマークも綺麗に写りました
 

白馬を発車
 

青木湖畔を通過
 

西日が車内に差し込みます
 

信濃大町にて
 

高瀬川を渡り安曇野へ
 

夕暮れの北アルプス
 
   
W.松本から長野へラストラン【9225M:松本18:10−長野19:44】
 松本で15分ほど停車した「ありがとういろどり」は、進行方向を変えて松本を発車します。今回の団体は、松本駅発着コースもありますので、松本で降車する方も多く空席も多くなりました。列車は、もう夜になった松本駅を駅員の方々に見送られて発車します。もう、「いろどり」が松本駅に来ることはありません。これから篠ノ井まで篠ノ井線をラストランします。もう、車窓は夜景でほとんど景色は楽しめません。松本を出ると大糸線内で配布された夕食用の弁当を夕食として食べます。
 この「いろどり号」の旅もあと僅か、「いろどり」は長野総合車両センターを早朝や前日深夜に出て、夜に戻って来ることがほとんどでしたので余り多くは撮影できませんでした。乗車の方は、2007年6月に初めて多客臨で運転された「北アルプスいろどり」、2008年にSL運転と同時に黒姫まで運転された「いろどり信越号」、2009年に「しなの鉄道」で運転された「いろどり軽井沢」、2010年に上諏訪まで運転された「いろどり信濃路」、2016年に多客臨では初めてJR東海へ乗り入れた「いろどり木曽路」、そして今年は中津川まで客扱いされた「いろどり木曽路」が思い出されます。全車グリーン車の指定席でしたので少し敷居が高かったのですが、原形を色濃く残す外観とは異なり車内は、リクライニング席、コンパートメント席ともに快適で、いつも乗る線区の車窓も特別に見えました。
 そんなことを思い出していると、列車は白坂トンネル3本を通過して聖高原へ。もう、トンネルなのか夜間走行しているのか解りません。聖高原では3番線で27分ほど停車しますがドアは開きません。聖高原で、後続の長野行普通列車(1545M)退避を行います。ドア扱いもなく缶詰で後続の普通列車に抜かれるとは・・・。と思いますが、これも団体列車の楽しみです。
 
 聖高原を出て冠着を過ぎトンネルを通過し、旧羽根尾信号場跡を通過すると列車の車窓には美しい善光寺平の夜景が見えてきて姨捨駅を通過します。ここまでくると長野まであと僅か、4号車のフリースペースでは明かりを落として夜景を見やすくするサービスがありました。列車は、姨捨駅を過ぎると徐々に高度を下げて稲荷山駅に運転停車します。停車時間は11分でドアは開きません。今回の乗車で運転停車ながら最後の停車です。稲荷山を出ると次は長野まで止まりません。篠ノ井駅3番線を低速で通過して、「ありがとういろどり」は信越本線に入り最後の力走を見せます。名残を惜し惜しむかのように信越本線を走行する「いろどり号」。もう2度と走る事がないであろう路線を長野へ向けてひたすら走り続けます。川中島を通過して犀川橋梁を通過すると旅も終盤。いよいよ「いろどり」とも別れの時が近づきます。安茂里付近で、鉄道唱歌のオルゴールと共に最後の長野到着放送が流れて列車は長野駅7番線に到着。「ありがとういろどり」の旅が終わりました。
 長野駅では、最後の別れを惜しむ時間も余り無く車内点検終了と同時に長野総合車両センターへ引き上げました。2007年1月の登場から10年と9ヶ月の活躍でした。最後の「いろどり」営業列車に乗車できたのは光栄でした。
 
 さて、485系5000番台「いろどり」ですが、最後に長野鉄道フェスタ(長野総合車両センター公開)で最後の展示が予定されています。(予定は変更される場合もあります。)
 

松本駅停車中
 

間もなく松本を発車
 

「いろどり」で最後の夕食
 

姨捨の夜景
 

長野に到着
 

車内点検終了後はすぐに長総へ
 
 
X.485系5000番台「いろどり」車内
 今更ですが「いろどり号」は6両編成で、1号車・6号車がリクライニングシート車。2号車・3号車・5号車がコンパートメント車。4号車が多目的車となっています。1人旅からグループ旅行まで広いニーズで利用できる車両となっています。3列シートで1200mmの間隔で設置されたリクライニング車はもちろんのこと、4人用となるコンパートメントは6人でも十分に利用できる広さで、背面と座面を前に出せばフルフラットになり横になっての旅もできます。
 もう、ラストラン直前で撤去されていましたが、カラオケ設備やマッサージチェア・1号車と6号車には前面展望用の大型モニター(運転台には撮影用カメラ)が設置されていました。

コンパートメント車内(5号車)
 

コンパートメント内
 

リクライニングシート車内(6号車)
 

車端部はソファになってます
 

4号車はフリースペース

冷房付近には「上沼垂運転区」の文字が・・・
 
Y.記念品
 今回は、団体列車としての運転でしたので記念品等も団体募集時に記載されていたので事前に解りやすかったです。募集時には、乗車記念プレートと夕飯の弁当が用意されました。その他に参加用のワッペン(びゅうバッチ/ステッカーの代わり)が参加前に郵送で送られてきました。車内では、手を振ってくれる沿線の方々に手を振る代わりに配布された小旗が配られました。こちらは、大糸線コースと中央線コースに別れましたが、中央線コース分も余りを貰えました。
 気になる方が多い乗車証ですが、松本運輸区から手作り感ある乗車証が配布されました。まぁ、募集時の要綱に記載が無いと言われればそれまでですが、長野支社からは一切は配布はありませんでした。信州ディスティネーションキャンペーン期間中の臨時列車でも松本運輸区は結構頑張ってくれましたが・・・。長野支社は何もありませんでした。こういう観光キャンペーンの時は他支社はいろいろ出すのに長野は不思議です。
 夕食の弁当は、白馬五竜の「エスカルプラザ」で取り扱っている団体用の「五竜竹かご弁当」(1080円)が用意されました。内容的には、「おつまみ」としておかず部分をたべても、鳥そぼろ御飯が残るのでそのまま食べれれて考えられています。竹籠は再利用も考えましたが、調味料が付着してシミになっていたので残念ながら廃棄となりました。なお、驚くべきことに弁当に掛け紙はありませんでした。びゅう旅行商品だと、特製弁当の掛け紙も売りのひとつだと考えていたので、これにはただただ驚くばかり・・・。(小旗の旗の部分が、デザイン的にも大きさ的にも包んで渡せば最適でしたが・・・。)
 

案内書
 

乗車記念プレート(表)
 

乗車記念プレート(裏)
 

夕食の弁当(掛紙なし)
 

夕食の弁当(中身)
 

小旗も配られました
 

松本運輸区からの乗車証
 

申込金預かり証(唯一のマルス券)

参加用のステッカー