東武鉄道:SL大樹号  下今市−鬼怒川温泉
2017年 9月 3日(日)乗車_ 


 東武鉄道では50年ぶりのSL列車として、8月10日から東武鉄道の下今市から鬼怒川温泉で運転が始まったSL大樹号に乗車してきました。JR北海道から借りたC11-207がJR四国から譲渡された14系座席車を牽引する列車で、14系座席車については車内はトイレ・洗面所等を除いてほぼ原形を保っている奇蹟ともいえる客車が使用されています。
 夏休みが終了しても人気があり短い時間ですが、鬼怒川に沿ってゆったりとSL列車の旅を楽しめました。
  

T.リバティーけごん3号で下今市へ

リバティけごん3号で下今市へ
 
 浅草から特急リバティけごん3号で下今市へ向かいます。今回は、SL大樹1号への接続列車とということで乗ることになりましたが、思いがけぬ新型特急リバティけごん号の乗車となりました。
 浅草7時発の東武日光行は需要が少ないのか、まさかの3両編成でした。浅草からの乗車は少なく閑散としていましたが、北千住・春日部からの乗車が多く下今市到着前には7割ほどの乗車率になっていました。ですので、6両では空席だらけになるので3両編成は正解のようです。
 車両の方は、木目調の内装に落ち着いた「江戸紫」の座席(偏心回転式リクライニングシート)が並んでいます。各座席にはコンセントも完備されていて現代の特急らしいです。ただ、乗った列車は、空調が良くなく快適な新型特急の旅が、暑さとの戦いになったのは残念でした。

浅草駅発車案内

行先表示

ロゴマーク

 
U.SL大樹1号で鬼怒川温泉へ【下今市9:02−鬼怒川温泉9:38】
 下今市駅からSL大樹1号に乗車します。特急リバティけごん3号を降りてSuicaで改札を出て、「日光・鬼怒川エリア鉄道乗り放題切符」などを購入して再びホームへ行くと、ちょうどC11-207に牽引されたSL大樹1号が入線してきました。JR北海道ではC11-207牽引の列車には乗る機会がありませんでしたので、もうC11-207牽引の列車には乗れないだろうと諦めていました。それが、北関東の東武鉄道鬼怒川線で乗車が実現するとは夢というか奇蹟のようです。
 発車まであまり時間が無いので手際よく撮影して車内へ。車内に入った瞬間に懐かしさで涙が出そうになりました。紺のシートモケットに白の枕カバー。まさに子供時代に乗った国鉄特急そのものです。平成29年(2017年)に、このような車両に乗車できるとは夢のようです。狭い座席間隔に窓側のテーブル。そして、1段ロック機能がない完全な簡リクシート。もう、何も言うことはありません。車両は違いますが、昔乗った189系「あさま」を思い出すのに十分です。
  
 下今市駅を汽笛一声定刻に発車したSL大樹1号は、鬼怒川温泉へ向けて出発します。今回は、C11+ヨ8634に続く1号車に乗っているので、C11の力強い走りや振動が伝わってきます。車内は、ほぼ満席でJRで運転する時のように通路側が多数空いていると言う事もありません。車内は、全盛期の国鉄特急そのものです。列車は、大谷川を渡り車窓には初秋の田園風景が続きます。沿線の撮影できそうな場所には必ず撮影している方がいます。車内では、早速アテンダントによる車内改札と乗車証の配布が行われます。平行して記念写真の撮影サービス(有料)も行われたり、車内販売が回ってきたり忙しいです。なにしろ、乗車時間は36分しかありません。列車は、鬼怒川を渡り新高徳を通過して小佐越へ進んでいます。本日は、本当にSLの乗車日和です。小佐越を出ると、唯一の停車駅となる「東武ワールドスクウェア」駅に停車。ここで大勢の方が下車してゆきました。東武ワールドスクウェア駅を出ると終点の鬼怒川温泉までは6分ほど、SL大樹1号は定刻に鬼怒川温泉駅に到着しました。
 いろいろ書きたいのですが、乗車時間が僅か36分ですので・・・。帰路も、SL大樹2号を選択して正解でした。もう少しSL列車の旅を楽しみたいです。ただ、小さい子供連れの家族にはちょうど良い時間かも解りません。
 

始発の下今市駅
 

発車案内
 

C11-207先頭でSL大樹号が入線
 

後部はED10-1099
 

下今市駅発車待ち
 

ヘッドマーク
 

方向幕
 

愛称板
 

懐かしい14系座席車の簡リク
 

鬼怒川温泉に到着
 

先頭の撮影は厳しいです
 

DE10-1099側は余裕です
 

新藤原行普通列車との並び

会津マウントエクスプレスとの並び
 

C11-207のプレート
 

所属と運用札
 

下今市を発車
 

車内は満席です
 

大谷川を渡ります
 
 
スペーシアと交換

東武ワールドスクウェア駅に停車

まもなく鬼怒川温泉 
 
V.鬼怒川温泉駅前広場転車台
 鬼怒川温泉駅の駅前広場の一角に、JR西日本三次駅に設置されていた転車台が譲渡されて設置され「鬼怒川温泉駅転車台広場」として、誰でも無料でSLが回転するシーンを見ることができます。駅の方も熱心で、鬼怒川温泉駅に入る車両の説明やかSL回転の時間などを案内していて賑やかです。
 誰でも見られるので回転時間間際になると、大勢の方が集まり広場は結構賑わいます。SL回転中は、何度か回転を止めて沢山の方にいろいろな角度で撮影してもらおうとサービスしています。
 今回の回転で驚いたのは、ヨ8634にはテールライトの他にヘッドライトも増設されていたのですね。
 

転車台にC11とヨ8634が到着

1回転して向きを変えます

 
W.SL大樹2号で下今市へ【鬼怒川温泉11:18−下今市11:41】
 鬼怒川温泉からの帰路もSL大樹号に乗車します。14系客車自体は、鬼怒川温泉駅ホームに留置で機関車のみ前後を交代します。乗車はSL連結後になるので発車10分前です。最初に14系客車の後部にDE10が連結されて、その後にC11が下今市側から接近して連結されます。時間が無いので速やかに撮影して車内へ。今度も、C11-207+ヨ8643に続く3号車の指定となりました。
 鬼怒川温泉を汽笛一声定刻に発車したSL大樹2号は下今市に向けて進みます。次は、東武ワールドスクェア駅に停車します。数分で着くので車内も落ち着いています。東武ワールドスクウェア駅を出ると、満席の車内にアテンダントによる車内改札と乗車証の配布が行われます。平行して記念写真の撮影サービス(有料)も行われたり、車内販売が回ってきたりと一気に忙しく賑わいます。今度は、往路とは反対の座席ですので、鬼怒川のライン下りのボートなどを見ることができました。列車は、小佐越駅を通過して鬼怒川を渡ります。往路と違い復路の進行右側は、日光連山も見ることができて車窓も楽しめました。乗るなら鬼怒川温泉行は進行左、下今市行は進行右がお勧めです。鬼怒川温泉を出て33分で終点の下今市駅に到着しました。本当は、もう少しC11-207が引く14系座席車の旅を楽しみたいのですが・・・。また、違う季節に乗ってみたいと思います。
 今回は、東武鉄道に乗っている感覚がほとんどありませんでした。
 

始発の鬼怒川温泉駅
 

C11-207はしばらく側線で待機
 

前照灯を点けたヨ8634を先頭にホームへ
 

後部はDE10-1099
 

連結作業完了
 

鬼怒川温泉で発車待ち
 

下今市に到着
 

到着後は、車内点検終了と同時に引上
 

初秋らしい車窓が続きます
 

こちらも満席
 

国鉄時代を感じさせる座席
 

鬼怒川のライン下り

鬼怒川を渡ります

列車はゆっくりと下今市へ

   
X.下今市転車台広場
 下今市駅に到着したC11-207とヨ8634は転車台で方向を変えた後で、整備のためSL機関庫に入ります。こちらは、下今市駅構内の扱いで乗車券か入場券が無いと入ることができません。こちらは、駅構内の扱いのためか鬼怒川温泉駅のような説明の放送も無く淡々と作業が進みます。
 C11-207とヨ8634がSL機関庫に入ってしまうとほとんど方が帰ってしまいますが、実はこの後にDE10-1099も転車台に乗って方向転換まではしませんが、別の線路へ移るためにすこし向きを変えます。DE10が転車台に乗るのは珍しいのでこちらも見ものです。なお、下今市駅構内の転車台はJR西日本長門市駅にあったものが譲渡されました。
 この他に、SL展示館(休憩所)もありSL大樹号の模型やSLが走る仕組みなどを見ることができます。
 

転車台広場
 

転車台広場アーチ
  

ヨ8634を先頭にC11が移動
 

転車台で停車
 

向きを変えます
 

C11+ヨ8000は機関庫へ
 

続いてDE10-1099が転車台へ

こちらは違う線へ移動のため少々回転
  
Y.SL大樹号編成(14系客車)
 私が乗車した9月3日のSL大樹1号は、C11-207+ヨ8634を先頭に1号車:スハフ14-1+2号車:オハ14-1+3号車スハフ14-5+DE10-1099の編成で運転されました。私は密かに14系トップナンバーでの組成を期待したのですが、3号車にオハフ15-1は入りませんでした。C11-207はJR北海道から貸与されました。一般の乗客の方々が不思議そうに見ていた車掌車のヨ8634には大型のATS機器(保安機器)が搭載されています。このため、常に本線上ではC11とセットで運転しています。こちらのヨ8643はJR貨物から譲渡されました。そして、後部補機として使用されているDE10-1099はJR東日本からの譲渡です。いつしか、DE10先頭の14系客車の旅も期待したいところ。
 14系客車(座席車)については、JR東海からJR四国に譲渡され、さらにJR四国から東武鉄道に譲渡されてきました。2017年になってこれほど美しい14系客車を見ることができるとは思いませんでした。東武用の無線アンテナが増設はされているものの、それ以外はほぼ原形を保っています。また車内は、紺色のモケットに白の枕カバーが掛かった簡易リクライニングシートが並び、車内は子供の頃に乗っていた国鉄時代の特急列車そのもの。トイレなどはさすがに手洗い付きの洋式に改修され洗面台は塞がれたようですが、客室の車端部にある大型携帯品置場はそのまま残っています。
 ちょっと驚いたのが、14系座席車の修繕を総合車両製作所が手掛けたことでしょうか。
 

C11-207
 

ヨ8634
 

1号車:スハフ14-1
 

2号車:オハ14-1
 

3号車スハフ14-5
 

DE10-1099
 

14系客車のマーク
 

まさに国鉄を思わせる客室内
 

携帯品置場もあります

総合車両製作所が修繕したとは・・・
  
 
Z.指定席券・記念品
 SL大樹号は東武鉄道で運転されているため、JRのみどりの窓口では指定席券の購入はできません。私が住む長野ではどうすれば購入できるかと考えましたが、ちょうど長野駅近くに「東武トップツアー」の長野支店がありこちらで無事に購入できました。ただ、船車券タイプの券面になるのと、端末システムの関係で「SL座席指定券」の表示ではなく「特急券」の表示になってしまうことさえ我慢できればの話ですが。私は、とりあえず乗車できれば良いので購入しました。1ヶ月前に購入したので往復ともC11-207+ヨ8000の次の車両となる号車の窓側が指定されました。
 1ヶ月前の発売から数時間後の時点では残席が80席前後と聞いていたので、夏休みも終わり落ち着いてきたかと思いきや最終的には往復(1号・2号)とも満席でしたので、当日勝負に拘らずに長野で購入して正解でした。余談ながら東武鉄道系の「東武トップツアー」ですので、その他に接続の特急リバティけごん3号の特急券も買いましたが、IC乗車券の普及で料金券単独のみで購入できて発券手数料も徴収されませんでした。
 
 SL大樹号の乗車証の方は、東武鉄道のホームページに掲載されている通り全6列車で違うものが配布されます。ただ今の期間(2018年8月9日まで。但し景品終了時点で終了)は、開業記念キャンペーンで、1号から6号までの乗車証を2枚・4枚・6枚(すべて違う号数で該当蘭に確認印が無いものに限る)を集めると記念品がもらえます。私は、往復乗ったので「2列車賞」として、「今市報徳二宮神社」の「SL大樹お守り」を貰いました。
 
 乗車券は浅草から下今市まで「Suica」を利用して、下今市からは「日光・鬼怒川エリア鉄道乗り放題切符」を利用しました。こちらは500円で、下今市−(鬼怒川温泉)−新藤原と鬼怒川温泉−東武日光間が乗り放題(特急・SLには料金券が必要)でお得です。なお、この乗車券は「下今市」「鬼怒川温泉」「東武日光」で販売されている硬券入場券の台紙になっています。入場券は1枚150円(大人)ですので、フリーきっぷと入場券3枚で合わせて950円と1000円を超えないので躊躇なく購入できました。ここまで考えていたとすれば、東武鉄道はなかなか商売上手かもしれません。
 

SL大樹1号指定券(端末システムの都合で特急券表示)
 

SL大樹号お守り(2列車賞)

SL大樹2号指定券(端末システムの都合で特急券表示)

「今市報徳二宮神社」のお守りです
   

SL大樹1号乗車証(表)
 

SL大樹1号乗車証(裏)
 

SL大樹2号乗車証(表)
 

SL大樹2号乗車証(裏)
 

日光・鬼怒川エリア鉄道乗り放題切符

硬券入場券の台紙にもなります