E2系N編成あさま号最後の乗車   長野−東京
2017年 3月31日(金)乗車_ 


 1997年10月1日に開業した長野新幹線(当時)から長野と東京を「あさま号」として結び活躍したE2系新幹線N編成が3月31日の臨時あさま号の運用で「あさま」の運用から引退となりました。今年の10月1日で北陸新幹線(旧長野新幹線区間)は開業20周年を迎えますが、その半年前の引退となり時の流れとはいえ少々残念です。
 今回は、私が一番多く乗車した新幹線であるE2系N編成「あさま」の最後の1往復に乗車する旅に出ました。もちろん、乗車に特化した旅ですので東京の滞在時間は僅かでした。ただ、往復(上下列車)とも最後のE2系あさま号に乗車できたのは最高に贅沢なひと時でした。
  
T.E2系あさま656号を撮影

背後にビックハット(長野五輪施設)を望み長野市街を進むE2系N13編成「あさま656号」
 
 本日は、E2系を使用する臨時あさま号は2本設定されていました。先行となる臨時あさま656号は、安茂里付近の山から俯瞰気味に撮影しました。E2系N13編成の走行シーンと住宅地を背景に遠くに「ビックハット」(長野五輪施設)が入り長野らしい1枚になりました。この見慣れた光景も過去の思い出となってしまうのが信じがたい気持ちです。
 

この光景も見納めに

長野を去るE2系N13編成
 
U.E2系上り最後の「あさま658号」(長野17:42−東京19:32)
 安茂里の撮影地から車で「JR長野駅駐車場」へ移動します。本日は、長野電鉄の終電後に長野駅に到着となるので車で自宅まで移動することになります。
 車を止めて新幹線改札を通り11番線へ行くと、すでにE2系N5編成が停車していました。ホームにも大勢のファンや報道陣が撮影に来ていました。春休み中も手伝い家族連れなども多くE2系新幹線が長野で定着していたことを伺わせます。普段は、他の列車の乗車記や旅行記用に軽く撮影して車内へ入りますが、今日は長野駅を出る最後のE2系「あさま」ですので念入りに撮影します。発車の3分ぐらい前に8号車に乗車。普段「あさま」を利用する際は、始発駅ですので自由席利用ですが、今日は自由席の列に並ぶ時間も撮影等に回したかったので指定席を利用します。
 
そして17時42分、E2系新幹線「あさま」は大勢の人に見送られて長野駅を発車しました。もう、一般客が乗車できる「あさま」としてE2系が長野駅を出発することはありません。いつもの車内と景色が思い出の1ページになりました。列車は、徐々に加速して犀川橋梁を渡り篠ノ井駅脇を通過します。千曲川を渡ると長野に別れを告げて五里ヶ峯トンネルを通過します。上田駅と佐久平駅でも撮影されている方が結構いました。列車は、小雪舞う軽井沢に差し掛かります。軽井沢で、後続の「かがやき512号」を退避するためしばらく停車します。この時間を利用して再び撮影をします。「かがやき512号」を先に通すと、E2系「あさま」は長野県に別れを告げて碓氷峠を下り群馬県に入り安中榛名を通過します。車内は、軽井沢で乗客が増えて窓側は埋まっています。上越新幹線が近づいてきて合流すると高崎に到着します。高崎で結構降りる方もいましたが乗車してくる人もかなりいました。関東圏に入りましたので、撮影する方も大勢います。高崎を出ると大宮に停車します。日が暮れて夜の上越新幹線をE2系は東京を目指して進みます。本庄早稲田・熊谷を通過して埼玉県に入りニューシャトルが並走して東北新幹線が近づくと大宮に到着します。大宮駅は15番線に入りました。臨時列車だからでしょうか、大宮駅15番線に入る列車に乗車するのは数年来ありませんでしたので貴重な体験でした。
 大宮からも大勢の人が乗車してきました。大宮を出ると列車は東京を目指してラストスパートです。荒川を渡り東京都に入り赤羽台トンネルを過ぎると上野駅の到着放送が入ります。列車は地下ホームへ進むためトンネル内へ。上野駅目前で列車は停止。東京駅で安全確認を行った関係で先行列車が詰まっているようです。ただ2分程度で列車は動きだして上野駅へ。上野を出ると、E2系あさま号の上り列車の旅も終盤です。秋葉原付近で地上に出て、山手線・京浜東北線・中央線と並走して列車は、19時34分に2分ほど遅れて東京駅22番線に到着。E2系あさま号上り列車の旅が終了しました。東京駅ホームは、週末で各地へ向かう人と撮り鉄で大混雑していました。E2系は、東京駅に到着後は、折り返しの「あさま655号」の運用に備えて車内清掃を実施します。そのため撮影できる時間は十分にありました。
 19時50分にE2系N5編成は、東京新幹線車両センターへ回送のため東京駅を後にしました。
 

長野駅発車案内
 

長野駅停車中
 

大勢の方が見送りに集まってます
 

E2系上り最終あさま658号
 

最後の「東京」表示
 

E2系N編成ロゴマーク
 

この光景も今日が最後
 

8両編成(E2系)「乗車口」
 

長野駅にて
 

この表示も最後です
 

E2系で東京へ
 

軽井沢で少々停車
 

軽井沢駅停車中
 

かがやき512号を退避
 

デッキ部の車内の案内
 

東京に到着
 

単独運転の「つばさ97号」と顔合わせ
 

東京新幹線車両センターへ回送
  
 ■東京駅から回送されるE2系N5編成の動画はこちら__
 
V.東京駅でのひと時
 東京駅での折り返しは2時間16分です。本来なら駅から出て散策でもしたいのですが、今日は生憎の雨でしたので駅構内で買い物をしたり撮影したりして過ごします。平日しか運転されない185系「湘南ライナー11号」やE235系山手線の初撮影等で、時間もあっという間に過ぎて再び新幹線ホームへ戻ります。

夜の東京駅舎
 

何時も撮る角度からも撮影
 

湘南ライナー11号

山手線E235系
   
W.E2系最後の「あさま」に乗車(あさま655号:東京21:48−長野23:33※所定時刻)
 東京駅新幹線ホームに戻りました。これからE2系あさま号の最後となる「あさま655号」に乗車して長野へ戻ります。21時過ぎに新幹線ホームへ向かいE2系「あさま」の到着を待ちます。21時40分に出るMaxとき351号の後に入線となるので、発車の5分くらい前の入線で慌ただしくなりそうです。しばらくすると、新幹線線路内に人が立ち入ったとの情報で運転見合わせになるとの放送が・・・。E2系「あさま」の入線も遅れそうです。その後は、東北・上越・北陸の各新幹線は運転を見合わせて時が流れてゆきます。あさま655号の発車時刻を過ぎても、先行の21時28分発の「あさま629号」が止まっています。その後、運転を再開し先行の「あさま629号」(21時28分発)が21時49分頃に発車しました。その後、21番線のMaxとき351号が発車して、いよいよE2系「あさま」最後となる「あさま655号」が入線してきました。先頭部付近はすごい混雑でしたが、何とか数枚の撮影に成功しました。ダイヤ乱れの影響なのか、隣の線にはE2系J編成が停車していて両編成ともヘッドライトを点灯させて並ぶシーンもあり、E2系N編成「あさま」の東京駅最後の旅立ちに華を添える形になりました。
 
 ダイヤ乱れの影響で東京駅での停車が長かったのでゆっくり撮影を終えて車内へ。本日の席は、長野行のE2系あさま号では定番の8号車12番A席です。E2系あさま号の下りに乗る際は、この席が空いているかどうかで乗車列車を決めることがありました。理由は簡単で、短い時間で先頭の撮影をしてすぐに乗車できて進行右側のスピーカー(録り鉄用)の真下が12番A席となります。本日も、なんとか8号車12番A席を確保することができました。
 そして、定刻より約30分遅れの22時18分頃に大勢のファンに見送られてE2系「あさま」は東京駅を旅立ちました。もう、東京駅にE2系N編成が「あさま」として来ることはないでしょう。列車は、秋葉原から地下に入り上野へ。最終の「あさま631号」より遅い時刻なので、自由席は早く高崎・長野方面へ戻りたい人々で長い列になっています。先頭部も大勢の方々が撮影をしています。上野を出ると列車は再び地上に出て、夜の東京に別れを告げて大宮へ向けて進みます。ここで購入しておいた「チキン弁当」とノンアルコールビールで遅めの夕食をとります。本当は、ビールなども準備したかったのですが、長野から須坂までのタクシー代はちょっと払えないので、ノンアルコールビールで我慢します。東京から長野へ戻るときには、「チキン弁当」と「つまみ」1品とビールを買い込んで乗っていたのを思い出します。ちょうど食事が終わるころに列車は大宮駅に到着します。大宮からの乗車は多く車内の座席もかなり埋まりました。乗り収めなのか大宮で降りる方も結構いました。空いた席には、大宮からの人が座ったので無駄のない座席の埋まり方です。大宮でも大勢の方が撮影に訪れていました。大宮を出ると東北新幹線と別れて上越新幹線を進みます。帰宅時間に配慮してか熊谷と本庄早稲田にも停車します。熊谷では、上りのE7系又はW7系が2本停車しています。ダイヤ乱れの影響で東京側で列車が詰まっているのでしょう。(後日、公衆立入の人が見つかり再度運転見合わせになったそうです。
 列車は、夜の上越新幹線を北上して高崎へ。高崎からの乗車も結構ありました。また、ホームでも大勢の方が撮影に訪れています。高崎を出ると、上越新幹線と別れて北陸新幹線へ。いよいよ、旧長野新幹線の区間に入ります。列車は、徐々に速度を上げて山間部に入ります。もう、夜も更けているのでどの辺りを走行しているかは不明です。列車は、唯一の通過駅の安中榛名を通過して碓氷峠を上ります。長いトンネルを抜けて、E2系あさま655号は長野県に入り軽井沢に到着します。
 軽井沢からも乗車してくる人がいました。軽井沢を出ると佐久平に停車します。軽井沢・佐久平両駅ともファンや地元の方がE2系あさま号の最後の雄姿を見送りに来ています。佐久平を過ぎて上田に到着すると大勢の方が下車しました。上田からの短距離乗り収めの方も何名かいました。東京から上田まで、各駅でファンや地元の方々に見送られてきたE2系あさま号ですが、いよいよ最後の停車駅の上田駅を発車します。E2系あさま号の旅も終盤です。1997年10月1日の開業から約19年半の間、長野と関東を結んだE2系あさま号の日々も間もなく終了となります。学生時代の最後の秋に開業してから今日まで、長野と関東を移動する際には本当によく利用し新幹線の中でも一番多く乗車した形式になりました。いつまでも現役で走れることは出来ないのは解りますが、一番なじみ深かったE2系N編成が「あさま」から引退するのは寂しいです。せめて20年目の10月1日までは、臨時列車「あさま号」としてE2系N編成の姿を見ることができると思っていたのですが・・・。長い五里ヶ峯トンネルを通過して長野市内に入り篠ノ井駅脇を通過するとE2系あさま号の旅もあと僅か。E2系は徐々に速度を落とし終着の長野駅を目指します。最後の車内放送では、E2系あさま号はこの列車で最後との案内もありました。短い案内でしたが、年度末と週末が重なった3月31日ですが、無理してでも東京から長野まで「あさま655号」に乗車してE2系N編成「あさま」最後の旅を楽しんで良かったと思えた瞬間でした。
 
 E2系あさま655号は、定刻より30分遅れて日が変わり4月1日の0時5分に長野駅に到着しました。新幹線で0時を跨いだのは初めての体験でした。また、4月1日はJR発足30周年です。JR発足30周年の瞬間をE2系最後の「あさま」で迎えたのも何かの縁でしょうか。長野駅に到着し、E2系「あさま」の旅は終わりました。1997年10月1日の長野新幹線開業時から北陸新幹線に(案内上の)路線名が変わっても、19年半運転し続けたE2系「あさま号」の歴史が終わった瞬間でした。長野駅は午前0時を過ぎましたが、大勢の方が撮影やE2系の見収めに訪れていて先頭部は大混雑でした。E2系あさま号は車内点検が終わると0時15分頃に長野新幹線車両センターへ引き上げました。最後は、長野新幹線として登場した当時終着駅だった長野駅で大勢の方に見送られ賑やかなE2系あさま号の最後となりました。
 
 E2系を見送り改札を出ようとしましたが、有人通路は乗車券・特急券を記念に持ち帰ろうとする人で大行列となっていました。列は蛇行しながら有人改札からホームへのエレベーター付近まで達していたので、長野駅では過去最大の乗車券・特急券の持ち帰り手続き待ちの行列になったかと思います。
 

再び新幹線ホームへ
 

E2系8両の編成案内も見納め
 

「あさま」8両も今日限り
 

この時点で25分遅れ
 

ようやくE2系N5編成が入線
 

東京ではE2系J編成と並びました
 

信号待ちで停車中
 

最後の「あさま」表示
 

最後の「長野」表示
 

あさま655号がE2系N編成最後の「あさま」
 

最後はお気に入りの席で・・・。
 

ノンアルコールビールですがチキン弁当で夕食
 

間もなく長野に到着
 

E2系あさま号の旅が終わりました
 

先頭部はすごい人出です
 

長野駅の編成案内も変わるのでしょうか
 
 ■長野駅から回送されるE2系N5編成の動画はこちら__

 
X.指定席券

E2系最終の「あさま655号」指定券
 
 今回のE2系N編成での「あさま」運用終了ですが、使用される列車は通常の臨時「あさま」です。したがって、普通車指定席は満席にはなりませんでした。週末の金曜日ということで、「あさま655号」は指定席も結構埋まりました。
 今日は、上りは「あさま658号」、下りは「あさま655号」がE2系使用の最後の列車となりましたが、指定席券は最後まで満席にはなりませんでした。ただ、グリーン席は、7号車のグリーン券がE2系使用列車の証明となるためか、両列車とも満席の状態で直前に数席空きが出たようですが、普通車指定席よりグリーン車の方が混雑していたようです。私は、予定が決まらずいたので、復路のみトクだ値10(1割引き)を利用しました。
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往路は回数券利用
 

あさま658号指定券(画像加工済)