2:ガタゴト日誌(乗車記) 作成日:2012年11月13日(火) 

快速SL信濃川ロマン号

2012年11月11日(日)乗車


越後川口駅に停車中のSL信濃川ロマン号
 

 飯山線に40年ぶりにSL列車「信濃川ロマン号」が運転されました。飯山線と言っても、新潟側の長岡〜越後川口〜十日町間を、11月10日・11日の2日間1日1往復運転され、懐かしいSLが晩秋の魚沼地区を走行しました。
 今回は、真岡鉄道所有のC11−325が、旧型客車3両を牽引する懐かしい形での運行となりました。

■綱渡りな行程で越後川口へ
 長野から普通列車直江津行で越後川口へ向かいます。この列車、2009年のSL信越線秋の収穫祭号に乗車時に空転のダイヤ乱れに巻き込まれ、長岡−柏崎の乗車が出来なかった苦い思い出があるので心配していましたが、無事に早朝の信越国境を越えて二本木駅に到着した時には心底ほっとしました。後は、直江津駅まで気楽に進めます。
 直江津からは、5分の接続で北越急行線に乗り換え。車内は空いていてボックス席で快適に移動します。今回の目的地となる十日町を一旦通過して六日町まで進みます。
 六日町から3分乗り換えで、上越線長岡行に乗車します。この列車に乗車出来れば安心です。直江津と六日町で短い乗り継ぎ時間で移動して、まさに1本の列車が遅延しても計画が駄目になる綱渡りな乗り継でした。2両編成の115系電車は、越後川口駅に定刻に到着。ここで下車して、飯山線を走るSL信濃川ロマン号に乗車します。

普通(長野6:31−直江津8:04)
 

北越急行線(直江津8:09−六日町9:20)
 

普通(六日町9:23−越後川口9:55)
 

長野から3時間24分で越後川口へ
 
   
■SL信濃川ロマン号【上り:越後川口10:09−十日町11:18】
 越後川口駅は、大変な混雑かと思いましたが、予想外に空いていてSL信濃川ロマン号の入線からゆっくりと撮影できました。本日は、往路がバック運転のようです。越後川口駅では、少々停車時間があるので反対ホームから撮影します。一般の方々には、イメージしていた運転とは違うようで先頭部の人気はいま一つ。客車側の先頭に人気が集まっています。ヘッドマークの取り付けが出来れば違うのでしょうが・・・。
 
 撮影を終えて車内に入ると、発売の9割方が旅行商品(パック旅行)ということで家族連れがほとんどとなっています。列車は、越後川口を発車すると上越線と分かれて飯山線を進みます。すぐに魚野川を渡るのですが、凄い数の撮影の方々で車内からも歓声が上がります。列車は、秋の飯山線を快調に進みます。内ヶ巻駅を通過すると越後岩沢駅に停車します。お祭り騒ぎで大勢の方がSL列車を見物にやってきました。ここで8分ほどの停車となります。
 越後岩沢駅を発車して、乗車証を貰いました。本来は、長岡発車後に配り終わっているのですが、途中駅からも乗車する乗客もいますし、地元枠のパックは短区間で市町村ごとに入れ替えがあるので、こまめに配って歩かなくてはなりません。道路の方は、追いかけの車で混雑していますが、不思議な事に警察車両は見当たりません。同じ車を何回も見ながら列車は進みます。
 
 下条駅では、日本酒や甘酒の振る舞いを・・・。まさか、旧客の窓越しに日本酒の振る舞いを受けるとは思いませんでした。これは貴重な体験です。下条駅には、「大地の芸術祭下条駅プロジェクト」とSLという不思議な光景を撮影できました。下条駅を出て列車は、十日町を目指して力走。沿線の風景を見ていても面白いです。待ち構えていて手を振ったりスマホで撮影している人、突然のSL列車の登場に驚く人、まったく無視して草取りしている人。3号車は、C11の次の号車ですのでいろいろ見る事が出来て良かったです。最後の停車駅となる魚沼中条駅では、日本酒(ワンカップ)の配布がありました。手作り感あふれるラベルが良い味を出していて、土産にはもってこいでした。
 
 魚沼中条駅を出ると、北越急行線の線路が接近してきて市街地に入ります。十日町市民の方々が大勢線路際で出迎えてくれます。SL信濃川ロマン号も汽笛で応えてゆっくりと市街地を進みます。そして列車は、十日町駅1番線に到着しました。結構早く降りたつもりでしたが、もうすでにくす玉が割られて到着式は終了していました。
 今回は、途中駅の越後川口駅から飯山線区間のみの乗車でしたので、あっという間の短い乗車で終わりました。帰路(下り)は全区間で乗車となりますが、SLも我々も折り返しの時間までしばしの休憩となります。
 

越後川口に到着するSL信濃川ロマン
 

越後川口で少々停車です
 

本日は、往路がバック運転です
 

魚野川を渡ります
 

秋の飯山線を十日町へ
 

越後岩沢駅停車
 

初使用のサボ
 

季節は晩秋です
 

下条駅停車
 

大地の芸術祭下条駅プロジェクトとSL
 

魚沼中条駅停車
 

歓迎の太鼓演奏
 

展示された火焔型土器(複製)
 

間もなく十日町
 

到着セレモニー

歓迎の看板
   
■十日町での折り返し
 十日町駅に到着後、しばらくして転線作業が始まりました。まずは、客車ごと2番線へ転線します。その後、C11だけ切り離し長岡保線技術センター十日町冬季派出の付近まで移動します。
 ここで、石炭や水の補給などを行いました。場所は制限されましたが、一般にも公開され大勢の市民の方が撮影に訪れていました。しばらく作業を眺めた後は、駅前へ移動して売店で記念グッズなどを購入して昼食を食べて一休み。
 昼食後は、再びC11の様子を見行ってみると作業は終了していて、ライト点灯で撮影会状態になっていました。C11-325単機で撮影できる角度などは制限されましたが、良い感じで記録写真を残す事ができました。
 そして、いよいよ連結のため移動の時間になりました。一旦、長岡保線技術センター十日町冬季派出を出て側線を通過して津南方面へ。津南方面から1番線を通過して越後川口方面へ。越後川口方面から2番線に入り連結と複雑な動きをしましたが、走行しているSLが見られて親子連れからは大好評でした。

間もなく入換え開始
 

1番線を後にします
 

2番線に客車を押し込みます
 

客車を切り離し移動
 

C11-325だけ整備のため移動
 

石炭の補給を行います
 

給水車とC11
 

水槽に水を移して給水
 

給水完了

後半は撮影会状態
     
■SL信濃川ロマン号【下り:十日町11:18−長岡16:42】
 帰路も、SL信濃川ロマン号に乗車します。今度は、十日町から長岡までのフル区間乗車です。列車の先頭では、出発式も行われています。本日は、正向きの運転となりますので撮影される方も多いとのこと。昨日も多かったとは思いますが・・・。
 さて、間もなく発車時刻となります。車内は、8割方が家族連れでほぼ満席の盛況です。汽笛一声、十日町を発車します。この列車が、十日町を出る最後のSL列車となります。また、十日町にSLの汽笛が響く日は来るのでしょうか。
 
 沿線でも大勢の方が、手を振って見送っています。列車は、北越急行線と離れて飯山線を進みます。帰路となる下り列車は、快速列車の名にふさわしく飯山線内はノンストップで十日町へ向かいます。乗車した車両もC11の次の車両(1号車)ですので、走行音でもSL列車の旅を楽しむ事が出来ます。だんだんと周囲が暗くなる車窓を見ていると列車は、魚野川を渡り上越線が接近してきて越後川口駅に停車します。越後川口駅では、給水作業のためしばらく停車となります。反対ホームから少しカーブしていますが、編成写真の撮影をします。SL信濃川ロマン号の停車しているホームは、誰もSLの先頭に来ないと不思議に思っていたのですが、給水作業中は立ち入り禁止にしていたようです。給水作業が終わると、家族連れが一気に先頭にやってきました。
 
 列車は、越後川口から飯山線に別れを告げて上越線に入ります。電化区間の複線を力強く長岡駅までラストスパートです。車内は、結構賑やかで秋の夕暮れの寂しさなどはありません。途中小千谷駅で2分停車します。旅行商品の設定があるのか乗客の入れ替えが結構あり、小千谷から乗車する方も多かったです。帰路については、途中駅からの乗客にももれなく乗車証を配布していました。今回は、9割方が旅行商品ですので、地元優先の商品は越後川口・小千谷と細かく乗降区間が設定されていましたので、配布せざるを得ないのですが・・・。
 小千谷を出ると、上越新幹線の高架橋が接近してきます。長岡はもう目の前のです。飯山線で40年ぶりに運転されたSL列車の旅もそろそろ終盤です。信越本線を跨ぎ宮内駅を通過すると・・・。宮内駅は通過しなかった。宮内駅では、しばらく運転停車とのこと。長岡駅の構内が空くのを待つようです。後続の普通列車や特急列車を見送り、いよいよ宮内駅を発車。長岡車両センターを見ながら列車は、夕闇の長岡市内を進みます。もう薄暗い時間ですが、大勢の長岡市民の方々が踏切で見送っています。
 
 列車は、汽笛を鳴らして長岡駅に進入します。そして、到着。SL信濃川ロマン号の旅が終わりました。乗車した1号車は、新潟支社の社員の方々も乗車(添乗)していたので、降車時には並んで見送りがありました。少し驚きましたが、なかなか良い演出ではと思いました。長岡駅も大勢の撮影の方で混み合っていました。列車は、しばらく長岡駅に停車して名残を惜しんでします。その後、長岡車両センターまで牽引するEF64−1053が編成後部に連結。ファンは、一斉にEF64-1053側に移動して、SL主体の家族連れとの住み分けも完了。特にトラブル等もなく、最後に汽笛を大きく鳴らしSL編成はEF64-1053に牽引されて長岡駅を離れました。
 そして、長岡駅は普段の日曜日夕方の表情に戻りました。
 

始発の十日町駅
 

いよいよ入換開始
 

十日町駅で発車待ち
 

出発式前の記念撮影
 

先頭では出発式が行われています
 

旧客車内
 

十日町市民の方々がお見送り
 

北越急行線が離れます
 

晩秋の飯山線を越後川口へ
 

魚野川を渡ります
 

越後川口で少々停車
 

越後川口停車中
 

ヘッドマーク
 

上越線に入りラストスパート
 

上越新幹線が接近
 

信越本線を跨ぎます
 

宮内駅で運転停車
 

長岡車両センター付近を通過
 

間もなく終着長岡
 

大勢の長岡市民の方々がお出迎え
 

長岡に到着
 

無事に運行を終えたC11-325
 

大役終えて休憩中のC11-325

EF64-1053に牽引されて長岡車両センターへ
   
■帰路はキハ110系で飯山線を走破
 SL信濃川ロマン号の旅を終えて長野へ戻ります。当初は、信越本線(直江津経由)を予定していたのですが、運行情報メールに強風による遅延情報が出ていたので嫌な予感が・・・。安全策をとって飯山線経由にしました。
 上越線の越後中里行に揺られて、先ほど乗車した路線を戻ります。車内は、SL乗車帰りの乗客で混み合っています。越後川口駅で飯山線の長野行に乗車します。1人がけの座席を確保して、あとは寝てもスマホをいじっていても、ボーとしていても長野まで運んでくれます。3時間1分の長旅です。列車は、立席こそ無いですが、座席がほぼ埋まるくらいの混雑で夜の飯山線を進み十日町に到着。ここで、9割以上の乗客が下車。車内は、一気に閑散となりました。キハ110は、ひたすら各駅に止まり続け森宮野原へ。ようやく長野県に入りました。ここで、乗客は2名だけ。たった2名の乗客を乗せた列車は、森宮野原から戸狩野沢温泉までは最終列車となります。が、誰も乗ってこないし・・・。上境で乗客1名が降りて1名だけになりました。ほぼ貸切状態で戸狩野沢温泉に到着。ここで、先頭に2両増結のため小休止。ホームで背伸びをして過します。
 もちろん戸狩野沢温泉からは、乗客が増えてゆきます。この列車が、長野新幹線の最終に接続となるので飯山からも結構乗車がありました。途中駅からの乗車も多く車内も活気づいてきました。豊野では、信越本線強風の影響で遅れている362Mのスジにのせるため6分停車して362Mに時刻で運転。362Mスジでの運転は、長野新幹線最終等の接続客に配慮したようです。結局、長野には4分遅れの21時30分に到着しました。
 
 予定していた、快速くびき野4号は強風の影響で直江津に2時間30分遅れで着いたようですので、当然ながら直江津から362Mには接続できないので、こちらの選択(飯山線経由)が良かったようです。362Mは、快速くびき野4号との接続を切り20分遅れで長野についた模様です。と言う事で、越後川口から長野まで3時間4分(遅延4分込み)の長い飯山線(豊野から信越本線)の旅が終わりました。

普通(長岡17:57−越後川口18:19)
 

普通(越後川口18:25−長野21:26)
                    ※遅れ:長野21:30

上境−戸狩野沢温泉間は1人だけ
 

戸狩野沢温泉で小休止
 

右奥の車両を増結します

越後川口から3時間5分(遅れ時間込み)で長野に
     
■指定席券・記念品


昼食のSLばんえつ物語弁当(上)
弁当購入記念証(下)
 
 指定券については、諸般の事情でほとんどがパック枠で地元に多く割り当てられたため、一般で「みどりの窓口」で発売された座席数は、本当に僅かでした。
 それでも、こまめに見てようやく11日の十日町→長岡の入手に成功しました。
 続いて、越後川口→十日町の入手にも成功しました。最終的には、長岡→越後川口の指定券の入手は叶いませんでしたが、結果的にはこれが決め手になって割安な直江津経由で越後川口に向かう決断材料となり良かったのかもしれません。
 
 乗車証明書については、往復で配布されました。ほぼ同じデザインながら往復で区間と停車駅・時刻が違うタイプでした。配布の際は、指定席券を確認して台帳に記載していましたが、同じ席でも区間が変われば人も変わるので、区間も記入しないと正規の乗客と思わぬトラブルになる可能性もあるかと思います。
 
 また、今回は車内販売で弁当を購入すると、運転記念証が配布されました。

上り列車指定券
 

下り列車指定券
 

上り列車乗車証明書(上が表)

下り列車乗車証明書(上が表)