惜別「羽尾信号所信号所」

快速スイッチバック街道惜別羽尾号

2008.7.6

姨捨駅に停車中のクモユニ143−3先頭の「スイッチバック街道惜別羽尾号」
 
 篠ノ井線の羽尾信号所がこのほど廃止されるのにあわせて、最後の3連続スイッチバックを楽しめる臨時列車として快速スイッチバック街道惜別羽尾号は運転されました。この列車の、羽尾信号所停車を以って羽尾信号所に停車する列車は無くなります。この、スイッチバック街道惜別羽尾号は上下列車往復共に桑ノ原信号所・姨捨駅・羽尾信号所と3つのスイッチバック駅・信号所に3つ続けて停車します。
 今回は、115系豊田車を借り入れ使用するのは前回と同じですが、今回はなんとクモユニ143型2両も連結されることになりファンの注目度が一気に高くなりました。
    
■往路〔長野10:19−聖高原12:07〕
 いよいよ「スイッチバック街道惜別羽尾号」に乗車する当日となりました。前日は、長野駅から立席が出るほどの大混雑となったようですので、1時間以上前に長野駅に到着しました。さっそく7番線へ行くと、「スイッチバック街道惜別羽尾号」専用の乗車口案内が設置されていました。すでに、各乗車口に列が出来ていました。ホームを一巡して、一番人が少なかった2号車中ドアの位置に並びました。
 待つことしばし、344Mが電留線に引き上げるといよいよ入線時間が迫ってきます。ホームはすでに長い列が出来ており殺伐とした雰囲気さえ漂います。そんな中、クモユニ143−3を先頭に「スイッチバック街道惜別羽尾号」が入線してきました。普段なら入線シーンを撮影など和やかな一時ですが、本日は全車自由席ですのでほとんどの人は座席確保ためそのまま並んでいて、やはり殺伐とした雰囲気に変わりはありません。列車が停車して、ドアが開くと一気に席が埋まります。私も辛うじてボックス席に座れました。 
 その後は、座席を確保してその後ようやく撮影に出られました。普段は、8番線を発着するクモユニ143が7番線ホームに停車している姿を見るのは、地元の私でさえ新鮮に見えました。
 
 長野駅を出た快速スイッチバック街道惜別羽尾号は、車内の大勢の立席客を乗せると言う大盛況で長野駅を出発しました。長野駅を出てすぐの側道から、カメラを片手に撮影する人が大勢います。篠ノ井で、4分ほど停車して篠ノ井線に入ります。撮影もここからが本番なのか沿線は凄い人出です。まるでSL列車に乗っているかのような錯覚に陥ります。稲荷山駅で、特急しなの3号と交換して列車は勾配を進みます。山間に入りますが、所々にカメラを構えて撮影している人がいます。列車は、桑ノ原信号所に入りました。この信号所が1回目のスイッチバックです。撮影に来ている方もいますが予想よりは少ないです。桑ノ原信号所を出ると次は姨捨です。撮影にこられている方も多くなってきます。編成全ては入りませんが、善光寺平のポイントもものすごい人出でしたが、それを遥かに上回ったのが姨捨公園でしょう。あまりの人の多さに車内からも上がりました。姨捨駅停車時に2回目のスイッチバックを行い姨捨駅に到着します。
 
 姨捨駅では、物品の販売があります。販売自体は10:30からですが、この快速スイッチバック街道惜別羽尾号の姨捨到着は10:57すでに販売が開始されていて、車内からでも購入の様子が見えました。到着後はすぐに、販売所へ向かいたいのですが、陸橋が狭くなかなか進みません。とりあえず記念プレートの列に並び何とか入手は出来ましたが、記念弁当は購入できませんでした。その後は、編成写真を撮影できるチャンスでしたのでホームの端で撮影します。クモユニ143が姨捨駅ホームに停車しているのは貴重ですので撮影枚数も増加します。クモユニ143の人気で忘れられがちですが、115系豊田車にも前回のシールとは違い立派なヘッドマークが準備されたのでこちらの撮影もしておきます。姨捨駅での停車時間も過ぎて車内へ戻ります。

 姨捨を出た列車は、さらに混雑しています。多分先行列車で、グッズを購入して乗車した方が多いのでしょうか。列車は山間を程なく走り羽尾信号所に到着しました。この信号所で、3回目のスイッチバックを行います。この羽尾信号所は、3月尾ダイヤ改正で使用する列車が無くなり使用休止となっていましたが、この度正式に廃止される事になりこの記念列車が運転されました。この羽尾信号所の停車が、この列車のメインイベントです。ゆっくりとスイッチバックで待避線に入ります。この信号所周辺が、一番の大混雑になるかと予想しましたが地理的な条件もあるのか、かなりの人が集まりましたが、パニックと言う事はありませんでした。羽尾信号所で、快速みすず号に先を譲り発車します。トンネルを通過して冠着駅を通過すると、有名撮影地に近づきます。こちらも、ものすごい人出で驚きました。そうこうしていると、列車は終着の聖高原に到着しました。
 
 前回と違い、聖高原での席を確保したままの折り返しは認められず、全員荷物を持って下車して並びなおしとなります。一旦ドアを閉めて車内の点検作業を行い、5分後に再びドアが開いて2回目の席取が始まりましたが、乗車は片道だけの人も多く余裕でボックス席を確保できました。これで帰りも安心です。

発車案内には一応列車名も出ました
 

乗車位置案内も準備されました
 

クモユニを先頭に発車を待ちます。
 

「聖高原」の行先表示
 

115系豊田車側
 

115系側ヘッドマーク
 

愛称板も準備されました
 

1回目のスイッチバック:桑ノ原信号所
 

2回目のスイッチバック:姨捨駅
 

姨捨駅では47分ほど停車です。
 

クモユニ側は、撮影の人々で大混雑です
 

1227Mとの交換
 

対照的に115系側は空いていました
 

クモユニ143−3の晴れ姿
 

クモユニ143側ヘッドマーク(シール)
 

3回目のスイッチバック:羽尾信号所(最終日)
  

聖高原に到着
 

聖高原に到着した「スイッチバック街道惜別羽尾」
 
   
■今回の車両編成
 今回は、昨年の「スイッチバック街道号」運転時に要望が多かったクモユニ143型が連結されました。しかも、長野総合車両センターに在籍する2両が連結されて、豊田車両センターから貸し出された115系M8編成とあわせて、荷物車の形式こそ違いますが昭和の懐かしい普通列車の雰囲気が再現されました。
■スイッチバック街道惜別羽尾号編成
←聖高原                                                   長野→
クモユニ143−3 クモユニ143−1 クモハ115−311 モハ114−345 クハ115−376
 

今回は、松本側にクモユニを連結
 

クモユニ143−3
 

クモユニ同士の連結部
 

クモユニ143−1
 

クモユニと115系の連結部
 

クモハ115−311
  

モハ114−345
 

クハ115−376
 
   
■クモユニ143型車内公開
 今回の目玉は、クモユニ143型の車内公開でした。普段は、長野総合車両センター〜長野駅(電留線)の職員輸送や長野総合車両センター内の入替のみの活躍で、車両の外観は見ることが出来ますが車内を見ることが出来ませんでしたので、今回の公開は非常に貴重な機会となりました。
 このクモユニ143の車内公開目当てで乗車した電車ファンの方も大勢居られました。なお、車内を見学する際には駅の改札内ですが乗車券又は入場券の確認が行われました。
 郵便室には、区分棚が両側に並んでおり最盛期には郵便物の区分が時間との戦いの中で行われていたのでしょう。荷物室には、ATS−P型制御機が積まれていました。
 今回は、車内を細かく見ることが出来て大変有意義な折り返し時間でした。

クモユニ143の車内が始まりました
 

こちらが入口です。
 

運転台
 

郵便室
 

区分け棚
 

荷物室
 

重圧な扉です
 

現在は、ATS−Pが積まれています
  

業務用の区画でしょうか
 

ブザー?。インターホン?もありました
 

トイレ・洗面所付です
 

ボックスシートもありました
 
   
■帰路〔聖高原13:08−長野14:30〕
 クモユニ143の見学も終えて撮影も一息つくと、折り返しまでの時間がちょうどよく過ぎました。帰路も、「スイッチバック街道惜別羽尾号」に乗車します。やはり、片道乗車の方が多いのか下りの方が若干空いていました。それでも座れない人は多く出ましたが・・・。
 聖高原を出た列車は、今度は115系が先頭となって長野へ戻ります。115系にも昨年のシールと違い立派なマークが付けられたのですが、どうも沿線から見ているとクモユニの後打ち狙いの方が多いようです。有名どころの撮影地は、撮影するファンでほぼ満員状態となっていてクモユニ本線走行の人気振りが伺えます。
 
 列車は、冠着を通過して羽尾信号所に入ります。この列車の羽尾信号所発車を以って、この信号所に列車が入ることはありません。列車は、ゆっくりと待避線に入り、スイッチバックを始めます。この光景を車窓から見ることが出来るのはこれが最後ですので、しっかりと目に焼き付けます。羽尾信号所もかなりの人が集まっています。羽尾信号所で、特急しなの14号と交換して羽尾信号所を発車します。もうこの信号所に列車が入ることは無いかと思います。最後の列車に乗車できて本当に貴重な体験となりました。

 羽尾信号所を発車してしばらく走ると姨捨駅に到着します。姨捨では28分停車します。長野駅は7番線到着ですので、乗客から見ればこの停車が最後の撮影のチャンスです。下り列車の場合は、クモユニは最後部の連結となりますが、やはり一番人気でした。1226Mと交換した「スイッチバック街道惜別羽尾号」は、姨捨駅をスイッチバックで発車して引込み線へ入り再び長野を目指して走ります。途中の桑ノ原信号所でスイッチバックで4分ほど停車して稲荷山駅を過ぎると篠ノ井駅に到着します。篠ノ井を出ると、ラストスパートです。列車は、犀川橋梁を渡り定刻に長野駅7番線に到着しました。到着の余韻に浸る時間は無く、スイッチバック街道惜別羽尾号は数分の停車で長野総合車両センターへ引き上げました。

 今回は、最後の3連続スイッチバックをクモユニ2両+115系(豊田車)で体験できた非常に貴重な機会でした。

下り(長野行)は115系が先頭です
 

クモユニは最後尾となります
 

「長野」の行先表示
 

姨捨駅で28分停車します
 

1226Mとの交換
 

115系側から見たクモユニ143型2連
 

クモユニ側は、最後部でも混雑しました。
 

長野駅到着後は、すぐに引き上げます。
 
   
■乗車記念品(乗車証はありませんでした。)
 今回は、乗車記念品として115系に取り付けられた愛称板をイメージした記念プレートと、特製弁当、姨捨駅入場券が発売されました。「スイッチバック街道惜別羽尾号」の姨捨到着は10:57ですが、販売は10:30から行われており「スイッチバック街道惜別羽尾号」が到着したときには、すでに残り僅かな品物もありました。
 今回は、記念プレートの購入を優先させたため記念弁当は、売り切れで購入できませんでした。

記念プレート(表)

記念プレート(裏)
 ※記念弁当は売り切れで購入できませんでした。
 ※記念入場券は、時間の都合で買えませんでした。