冬の風っこ号はストーブ列車

飯山線ストーブ風っこ号
2007.12.2

長野駅に入線する快速飯山線ストーブ風っこ号
 

 12月1・2日と8・9日の4日間、びゅうコースター「風っこ」を使用した快速飯山線ストーブ風っこ号が長野〜戸狩野沢温泉まで1日1往復運転されました。なお、「風っこ」の飯山線での冬季運転は初めてです。今回は、トロッコ風気動車という位置付けではなく、2号車に設置されたダルマストーブを使用した「ストーブ列車」という位置付けで運転されました。もちろん、はめ込み窓ガラスが装着されています。
 

■初冬の北信濃へ(下り列車:長野10:39→戸狩野沢温泉11:52)

 本来なら、「お座敷ゆとり碓氷号」(高崎→横川)に乗車してからバス・新幹線・飯山線で戸狩野沢温泉へ移動して上りのみ「飯山線ストーブ風っこ号」に乗車する予定でしたが、残念ながら早朝休出の都合で乗車を諦め時間的に間に合う快速飯山線ストーブ風っこ号の往復乗車する事になりました。

 長野電鉄で、長野駅に到着して4番線ホームへ移動します。今回の快速飯山線ストーブ風っこ号は、戸狩野沢温泉までの運転です。往路の戸狩野沢温泉行は、いままで「風っこ」が運転されたスジがそのまま使用されますので、入線時刻等の推測も簡単で待ち時間無く入線シーンを撮影できました。

 撮影も終えたところで、程よい時間になりましたので車内に入ります。今回は、冬季の運転ですので防寒用に「はめ込みガラス」が装備された状態での運転となります。指定された2号車には、石炭を焚く達磨ストーブがあり乗客珍しそうに覗き込んでいたり写真に収めたりしています。(もちろん、通常の暖房装置をメインに使用します。)ただ、残念なことに「お座敷ゆとり碓氷号」と被ってしまったのが原因か今回も乗車率は芳しくありません。進行方向逆側なら当日でも窓側が買える状態でした。ホームでお会いしたF氏と席が至近距離でしたので一緒に乗車する事にしました。

 
 長野を出た列車は、私が昨日撮影した踏切を通過して長野総合車両センターを通過します。115系小山車が通電状態で留置線に留置されています。長野総合車両センターを過ぎると北長野に停車します。北長野からは単線区間に入ります。三才駅では、130Dと行き違いのため4分ほど運転停車をして信越本線を進みます。遠くに長野新幹線車両センターが見えてくると豊野の田園風景が広がる築堤を走ります。ここは、撮影名所でもありますので今日も撮影に来ている方がいますが、やはり少ないですね。
 豊野で少々停車して、列車は飯山線に入ります。立ヶ花付近から千曲川に沿って列車が進みます。車内放送が入るので、乗客の方々も思い思いの位置で初冬の千曲川の車窓をカメラに収めています。この辺りは撮影ポイントも多々ありますので、F氏と撮影地についてや日々の情報等の話をしていると替佐駅に到着しました。替佐駅は、中野市(旧豊田村)出身の高野辰之が作詞した童謡が季節ごとに列車到着時に流れます。今の時期は「もみじ」の童謡が流れています。ここで数分間停車しますので、ホームに降りて列車を撮影します。替佐の次は、飯山に停車します。車内では、飯山市と野沢温泉村から観光パンフレットの配布があります。同時に、戸狩野沢温泉から野沢温泉までの無料の送迎バスの案内がありました。

 
 飯山駅では、132Dと交換のため7分ほど停車します。飯山駅ホームには、鐘楼があります。鐘を鳴らしたり鐘楼と合わせて撮影したりと思い思いの時間を過ごします。飯山を出ると、北飯山と信濃平にも少々運転停車を行います。紅葉の時期も過ぎて、間もなく本格的な銀世界になる信濃平の田園地帯を走ると終点の戸狩野沢温泉に到着します。

 風っこ号は、戸狩野沢温泉駅の留置線に入る予定でしたが、予定が変更され全日程で戸狩野沢温泉〜豊野で回送列車が設定され、豊野駅の留置線で時間を調整する事になりました。12月1日・2日は、DD16ラッセルの試運転もありましたので、下り(戸狩野沢温泉行)の回送列車において替佐駅で思いも寄らぬ交換シーンが見らたそうです。

発車表示は「飯山線風っこ」
 

長野駅の駅名板と「風っこ」

長野駅で発車を待つ飯山線ストーブ風っこ号

  


特製マークも付きました。

 


サボも専用のものが用意されました。
 

2号車の車内です。
 

今回は、ダルマストーブも使用します。
  

燃料の石炭です。
 

今回は、窓ガラスを装着します。
 

サッシが1本入りますが、眺望は変わりません。
 

替佐駅で少々停車します。
 

替佐駅で停車中の「風っこ」
 

千曲川に沿って(蓮−替佐間)
  


初冬の北信濃を進みます。
 

トンネル通過中
  

古牧橋と千曲川
 

飯山駅で8分ほど停車
 

初冬の信濃平を走ります。
 

戸狩野沢温泉に到着
 

「風っこ」は、豊野駅へ回送されます。
 

    

■野沢温泉散策

 戸狩野沢温泉駅の改札を出ると、野沢温泉村の方々による「豚汁」の振る舞いサービスがありました。ちょうど昼前でしたので大変有り難い出迎えでした。その後は、「ストーブ風っこ号」の乗客専用の無料の送迎バスに乗車して野沢温泉へ向います。野沢温泉は、聖武天皇の頃と言われ鎌倉時代には湯山村として、江戸時代には湯治場として親しまれました。現在でも、スキーと温泉と野沢菜、鳩車の村として全国的に知名度があります。

 野沢温泉の新田ターミナルに到着します。すぐにでも外湯で温まりたいのですが、この寒さでは湯冷めをして体調不良を起こす可能性もあるので、とりあえず村内を散策する事にします。まずは、大湯へ。こちらは、後ほど入浴予定ですので外観のみ撮影して先へ進みます。湯沢神社を参拝して、野沢温泉のシンボルとも言える「麻釜」(おかま)へ。ここは、冬になると野沢菜を洗う光景がニュースに流れる場所です。ここは、90℃の源泉が沸いていて事情がわからない観光客が触れると非常に危険ですので、現在は組合員以外は立ち入り禁止になっています。(代わりに「湯らり」(足湯)に、観光客向けの温泉卵・野菜などゆでる事が出来るスペースがあります。)麻釜から吹き上がる湯気が町並みを隠すと、一段と冬の野沢温泉の雰囲気をかもし出します。麻釜の向かいには、「ハアー千曲わたればナ 野沢の出湯ヨ〜♪」でおなじみの「野沢温泉小唄」の記念碑があります。

 
 主な場所を回りましたので、いよいよ待望の野沢温泉を楽しみます。選んだのはもちろん先ほど通った「大湯」です。13ヶ所ある野沢温泉の外湯を代表する外湯で、温泉街の中心にあり湯屋建築の建物が目立ちます。泉質は、単純硫黄泉。胃腸やリウマチなどに効用があり飲用にも良いそうです。野沢温泉の外湯は、村民の方々で作る「湯仲間」で維持管理され村民以外の観光客にも原則無料で解放されています。入口の脇に「寸志箱」があるので、強制ではありませんが気持ちだけ小銭を入れて差し上げると良いかもしれません。「大湯」の内部はシンプルで、脱衣所と浴槽に仕切りがありません。ちょうど、すいていた時間帯ですので、ゆっくりと入ることが出来ました。浴槽は2つあり「あつめ」(源泉)・「ぬるめ」(水道水加水)があります。「ぬるめ」でも冷えた体には結構熱く感じました。体が温まった頃に「あつめ」(源泉)を試しましたが、やはり熱く足を入れるのがやっとでした。

 

 温泉を楽しんだ後は昼食にしますが、今日は臨時休業の店が多いのと、スキーシーズン以外は休業の店が多くかなり難航しました。ラーメンでも思いましたが、大通りの脇に「そば屋」を発見。F氏と相談してここに決定しました。メニューを見て「ざるそば」(温泉卵付)を見つけてこれに決定しました。ざるそばの「つゆ」の中に温泉卵が入っていて、このままそばをつけて食べます。新鮮な食感でした。この店でサービスで台出してくれた「そば羊羹」は珍味で美味しかったです。また機会があれば、この店で賞味したいです。

 昼食も済ませて、再び温泉街を散策します。ちょっと冷えた頃に、「湯らり」へゆきました。足湯ですが、ちゃんと100%源泉です。湯に浸すのは足だけですが、かなり熱かったです。先ほども書きましたが、この「湯らり」には、観光客も卵や野菜をゆでる設備があります。ちゃんと安全に配慮されていて、卵や野菜は近くの商店で購入して網や駕篭も貸してくれます。今回は、残念ながら時間がありませんでしたが・・・。

 「湯らり」の主?なのか、近所のネコに見送られて後にします。途中で、道祖神を見学して新田ターミナルに戻り、乗客用の無料の送迎バスで戸狩野沢温泉駅へ戻ります。

 短い時間でしたが、観光と温泉を楽しめて大満足の野沢温泉でした。

  

大湯(ここで温泉を楽しみます)
 


湯沢神社
 

野沢温泉の名物である麻釜

(火傷防止のため、組合員以外は立ち入れません) 

90℃の源泉が湧いています。
   

麻釜からの湯気が初冬を感じさせます
 


野沢温泉小唄記念碑
  

ミニ温泉広場「湯らり」(足湯)
 

足湯も100%天然温泉です。
 

「湯らり」の主(らしい)です(笑)
 

道祖神
   
   

■夕暮れの帰路(上り列車:戸狩野沢温泉15:39→長野16:44)

 戸狩野沢温泉駅で、快速飯山線ストーブ風っこ号の到着を待ちます。豊野からの回送で到着となりますので、ダイヤの関係上で発車の数分前にようやく入線して来ました。戸狩野沢温泉を発車すると、薄っすらと西日が差し込む初冬の信濃平の田園風景を見ると何か寂しさを感じます。上り列車も、信濃平・北飯山で運転停車をして少々時間調整をします。この下り列車は、国営放送の地元の放送局が取材のため乗り込んでいます。飯山駅では、139Dと交換のため3分ほど停車します。僅かな停車ですが、編成写真を撮影したりして過ごします。飯山を出ると、地元の民放1社も取材に乗り込んできます。このような取材は、通常は初日に行うものですが、なんで2日目にするのでしょうね〜。


 飯山を出ると、車窓もだんだん夕暮れから夜に移ります。景色も、次第に夕闇に包まれます。蓮を通過すると千曲川に沿って進みます。替佐で少々停車して列車は、夕日を追いかけるように長野へ向けて出発します。上今井を通過して間もなく立ヶ花と言うところで民放が取材に来ました。周囲が暗くなる頃に豊野駅に到着しました。F氏は豊野駅で降りるのでここでお別れです。ここからは、一人で1ボックスを使います。列車は電化された信越本線に入り長野へ向います。豊野の築堤でも、多分高感度で露出ギリギリの中を撮影している方が何名かいました。北長野を出ると、長野総合車両センターを見ながらラストスパートをかけます。終点の長野には、時間通りに到着しました。

 
 長野からは、A特急「ゆけむり」で須坂へ戻ります。信州中野・屋代方面へ接続の無い須坂行ですので、車内はすいていますが、前展望席だけは混んでいました。私は、ほんの数分の差で前から3番目に並べましたので最前列に座れました。この差は、長野到着時にあらかじめ、帰路の乗車券と特急券を買っておいたのでスムーズに改札に入れたためです。日が短いので、すっかり夜になった風景を見て須坂へ戻りました。今回は、外湯にも入れてなかなか良い「冬の「風っこ号」の旅」でした。

 

豊野から回送列車で到着
  

戸狩野沢温泉での停車は僅かです。
  

雲の間から西日が差し込む信濃平を通過
 

今の時期の夕暮れは早いです。
 

飯山駅で少々停車。
 

飯山駅停車中
 

古牧橋と高社山
 

替佐駅付近で日が暮れます。
 

遠くの山々は、雪化粧をしています。


日も暮れた豊野築堤を通過。
 

北長野駅では、辺りは暗くなっていました。

 


長野駅に到着した飯山線ストーブ風っこ号
 

須坂までA特急ゆけむり号に乗車
 

夜の前展望も良いですね。
 (2000系:228列車すれ違い)
   
■指定席券
  ※乗車証明書の配布はありませんでした。