さようなら九州の復活SL

SLあそBOY号乗車記

2005.8.7

阿蘇駅に停車中の58654型蒸気機関車「SLあそBOY」

 

 8月28日を以って運転を終了する九州唯一の復活蒸気機関車58654型が牽引する「SLあそBOY」に最後にもう一度乗車してみたく指定席券を手配しました。2000年10月にも1度乗車したしたことがあるのですが、勝手なもので運転終了が発表されると、再び乗車したいという思いが強くなりました。

 しかし、指定席券の確保は難航しました。前回は、あっさりと確保できて車内も空席が多かったのですが、今回はいくら9時59分59秒にマルスを叩いてもらっても指定が取れない・・・。「駅ねっと」も全く取れない・・・。ということで、考えを少し変えてみて「駅ねっと」で満席回答をメールで受信後にすぐにキャンセル待ちを入れてみました。時は過ぎて忘れかけた頃に、「キャンセル待ちの指定券がお取り出来ました」とメールが来ました。この時は、信じられませんでしたが、このチャンを逃すと乗車できなるので急いで計画を立てました。

 何日分かキャンセル待ちをしましたが、結局この1本しか取れませんでした。出発日に、この日以降のキャンセル待ちをすべて取り消ししました。

 

熊本駅の中線で入線を待つ

久々に58654に対面

58654運転室部分

後部にはDE10−1753が付きます。

 

 特急リレーつばめ3号は、定刻の9:29に熊本駅に到着しました。博多駅で、「2枚きっぷ」を購入する際に指定席料金券も購入したのですが、あいにく通路側しか空きがありませんでした。次の列車でも十分間に合うのですが、早く熊本へ着きたかったので、リレーつばめ3号に乗車しました。

 この選択は正解だったようで、熊本駅に着くと中線にSLあそBOY号編成が入線待ちをしていました。発車まで十分に時間があるため撮影している人も少なく、ゆっくりと編成写真や形式写真の撮影が出来ました。58654型蒸気機関車とは、2000年10月以来の再会になりました。

始発駅の熊本駅

 

豊肥本線発車案内

 

あそBOY発車ホームの案内

 

補機が入ったため新ホームからの撮影は絶望

 

代わりに、閉鎖の旧ホームからの撮影が可能

 

あそBOY号のサボ

 

SLが見える1号車展望室

 

DLが見える3号車展望室

 

 一通り撮影を終えて、改札口を一旦出て「記念入場券」を購入して朝食を済ませてホームに戻ると、SLあそBOYが豊肥本線ホームの0A番線に入線していました。豊肥本線ホームは、新しく新設された新ホームからの発車でしたが、SLあそBOY号にはDE10の補機が増結されているため、SLの先頭が撮影できる場所まで入りきれません。これでは、記念撮影等も出来ないので閉鎖した旧ホームをSL入線時のみ開放して撮影に対応していました。

 発車前にも一通り撮影を済ませて、5年ぶりに「アメリカ風客車」の50系に足を踏み入れました。本日は、2号車の通路側の席ですが贅沢は言えません。それでも、進行方向側にセットされた2人がけの座席(ボックスでありません)だったのは幸いでした。隣の席にも当然人が来ました。あたりを見回しても、2席取りする余裕が無かったのかほとんど空席はありませんでした。

 熊本を定時に発車した列車は、豊肥本線を阿蘇へ向かって進みます。しばらくは、電化区間なので電車とすれ違いが多いです。途中の停車駅で急病人か怪我人が発生したらしく少々発車が遅れるトラブルもありましたが、ダイヤがゆったり組まれているのか、いつの間にか解消していました。

 

スイッチバックの立野駅

 

立野駅の横断幕

 

立野駅でしばらく停車します。

 

立野を出ると美しい景色が続きます。

 

阿蘇駅で、特急通過待ちで停車します。

 

九州横断特急4号に道を譲ります。

 

終点の宮地駅に到着

 

宮地駅の横断幕

 

50系アメリカ風客車の車内

 

宮地駅で、ターンテーブルで点検線へ。

 

 列車は、スイッチバックの立野駅に到着しました。ここから、スイッチバックを2回して山上りをします。この駅で少しのあいだ停車するのですが、撮影に訪れている人は少ないです。ほとんどが地元の人みたいでした。立野駅をスイッチバックで発車します。車内では、スイッチバックの解説が行われました。沿線は、すごいカメラの放列でした。車内からも、あまりの撮影者の多さに歓声が上がっていました。

 スイッチバックを終えると、阿蘇の山々が美しく見えます。道路では、SLの機関車に車を並走させてビデオ撮影をする家族連れもあり、後続の車やトラック・観光バスなどが数珠繋ぎで渋滞していました。この頃になると、隣の人も家族連れの席(バラバラになったらしい)に移動したので、ゆったりと2人分の席を使ってくつろげました。

 阿蘇駅では、特急九州横断特急3号に道を譲るため停車します。皆思い思いに撮影しますが、野次や罵声は飛び交うことなく平和的な雰囲気で撮影が楽しめました。阿蘇で大勢の乗客が下車しましたが、反対に乗車してくる乗客も大勢いました。

 阿蘇を出発して最後のSL列車の余韻に浸り終着の宮地駅に着きます。しばらくすると、SLは引込み線に移動して整備線に入りました。

 帰りは、あそBOY号の指定を確保できなかったので「九州横断特急3号」で熊本へ戻りました。

 九州地区でSLに乗るのはこれで最後になるかと思いますが、できれば奇跡の復活を果たしてくれることを祈らずにはいられません。 

 

立野駅にて

乗車証明書(表)

 

乗車証明書(裏)

SLあそBOY号指定席券

帰路は、九州横断特急3号で熊本へ