さよなら20世紀踊り子号
2000年12月9日


伊東駅に到着し留置線に入った「さよなら20世紀踊り子号」
 

 12月9日土曜日、臨時特急さよなら20世紀踊り子号に乗車しました。1ヶ月前11月9日の指定券発売日の10時にマルスのボタンを押してもらったのですが、タッチの差で指定券が購入できずそれから3〜4日に1度のペースでキャンセルを探しましたが見つからず、とりあえず高崎支社でお座敷電車を使用して運転される臨時快速「ほくほく落語やまなみ号」の指定券を準備し旅行の段取りを進めるのと平行してキャンセルを探し続けましたが、結果は思わしくなく12月8日12時30分の時点で「キャンセルなし」ということで、あきらめて「ほくほく落語やまなみ号」に必要な乗車券を準備し当日を迎えた。
 12月9日土曜日午前6時40分、長野駅の窓口で試しに聞いてみることにした。女性駅員が端末を操作すると残り枚数が見慣れた0ではなく1になっていた。少し間をおいて「あ、ありますよ」ということで即座に購入し乗車変更・キャンセルを実施して、お座敷電車の旅から急遽変更し臨時特急さよなら20世紀踊り子号に乗車することになった。時刻は6時50分で臨時特急さよなら20世紀踊り子号の東京駅発車は12時20分だから長野7時02分の新幹線あさま550号に乗れば東京に8時52分に着くので余裕で間に合う。発車5時間30分前の逆転劇であった。

 午前11時40分東京駅10番線はカメラ片手の鉄道ファンが大勢いた。列車到着・発車の度に注意放送・笛の音・列車の警笛が響き渡る。11時50分に到着した特急踊り子102号の回送列車がいつもより早く11時57に神田側に引き上げると発車表示には「さよなら20世紀踊子号 12:20 伊東」と表示された。列車名は文字数の関係で踊り子の「り」が抜けているのが残念だが仕方ない。そして11時59分、鉄道警察隊が配置に付くころ「10番線お下がりくださーい。はい10番さがって」という強い口調と笛の音が響く中、警笛を鳴らしっぱなしでなんとEF58−61が先頭で入線してきた。EF58には、懐かしい「踊り子」のヘッドマークが太陽に反射し輝いている。14系客車は、残念ながら「臨時」マークであったが14系客車が東京駅に白昼入るのも珍しい。EF58―61は、14系客車を切り離し少し進んで一旦停止後、無線のやり取りをしてEF58―61の機回しが始まった。東京駅で機回しが白昼見られるのは11年ぶりぐらいだろうか。また、EF58−61が先頭の14系座席車が品川駅ではなく直接東京駅に乗り入れるのも何年ぶりだろうか。居合わせたファンは、ほとんどが通常のブルトレのように品川側がEF58型で神田側がEF65型のプッシュプル(機関車+客車+機関車)で入線して用が済んだEF65を切り離すと思っていたので夢でも見ているかのような光景だった。


出発セレモニー看板
  

発車案内
 

東京駅10番線に入線
 

EF58 61に「踊り子」のマークが輝く
 

東京駅発車ホーム

14系座席車は「臨時」表示


 先頭部では、出発式が行われたがすごい人で見物できず車内で発車を待つ。12時20分、機関車の汽笛と笛の音と注意放送が響く中、ホームで大勢のファンがうらやましそうに見送る東京駅を11年ぶりの運転で今回が最後の14系客車による昼行特急列車「特急さよなら20世紀踊り子号」が発車した。座席は、2号車の11番B席で通路側だが乗れるだけ幸せなので贅沢は言えない。やはり客車は静かで乗り心地が良い車内はマルス上では満席となっているが、実際は空席がちらほら見られた。今回の運転は、14系客車6両編成全席指定席で発売枚数は384席が売られたので、たぶん収集家がコレクション目的で購入したと思われる。そして、何かの縁なのかキャンセル分の最後の1枚は、運転当日に私の手に舞い込んできた。沿線には大勢のカメラマンがこの列車を撮影している。14系座席車の旅は、本当に久々なので何度も乗車した東海道本線も新鮮に見えた。そして14時17分、トラブルも無く無事に伊東駅に到着した。伊東駅からは私鉄の伊豆急行が、この列車に接続して近々廃車になる100系を使用した「さよなら20世紀100系号」を運転するが接続時間が3分しかないので撮影できるか心配したが何とか撮影できた。臨時特急さよなら20世紀踊り子号は、帰りは回送運転なので留置線に入った時点で撮影に配慮して機回しをせずそのまま留置された。あとは、いつもの調子で撮影のための戦いが始まるが伊東駅の配慮でホーム先端の職員通路付近まで立ち入り出来たのでいつもの混乱が無くスムーズに撮影できた。伊東駅の好意に感謝したい。午後のやわらかな日差しのなかでEF58先頭の「さよなら20世紀踊り子号」をゆっくり撮影し、伊東駅15時31分発の臨時特急踊り子186号と東京発17時52分の新幹線あさま527号で長野への帰路に着いた。


14系客車車内
 

終点の伊東に到着
 

列車はすぐに側線へ
 

接続運転の「さよなら20世紀100系号」
 

臨時特急踊り子186号で帰路に

当日購入に成功した指定券