春の南東北ローカル線とイベント列車の旅

 
2017年 4月 8日(土)から1泊2日_ 
 
 「とちぎプレディスティネーションキャンペーン」のオープニングとして旧型客車が日光まで運転されるということで指定券を購入しました。ちょうど、春休みも終わったばかりで土日の2日連続の休みが確実に確保できる時期ですので、以前から乗車したかった485系「ジパング」が福島県郡山まで乗り入れるのが決定打となり、南東北まで乗り鉄の旅に出かけました。もちろん、2日目にはSLばんえつ物語号の乗車を組み込みました。
 今回は、イベント列車の乗車を第一に考えましたので、あまり広範囲な移動はありませんでしたが、特急券の負担があまりなく安上がりな旅となりました。
  
――旅行行程――
 ・4/8
  長野6:02−あさま602号−7:14大宮7:28−湘南新宿ライン−浦和7:33
  浦和8:20−春のとちぎレトロ日光号−11:16日光12:01−普通−宇都宮12:44
  宇都宮13:08−やまびこ209号−13:48郡山14:04−ジパング花めぐり号−福島14:46
  福島15:35−つばさ141号−16:09米沢16:16−普通−18:29坂町19:01−普通−新潟20:02
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   ■新潟市内宿泊
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 ・4/9
  新潟9:30−SLばんえつ物語号(グリーン席)−13:35会津若松14:33−普通−新津17:11
  新津17:18−快速−19:29上越妙高20:09−はくたか576号−長野20:32
  
1日目【4月8日 土曜日】
 長野から始発の北陸新幹線あさま600号で長野を出発します。あさま号は自由席が5両連結ですので、長野の時点では自由席も空いています。ただ、長野を朝1番に出る列車ですので、上田・佐久平からの乗車が多く自由席の座席も段々と埋まり始めます。今日は曇り空で天気はあまり良くないようです。軽井沢を出ると次は高崎に停車します。碓氷峠を下り関東平野に出て高崎に到着すると、大勢の方が自由席の乗り場で列を作っています。自由席の座席も次第に埋まりはじめB席に座る人も出始めました。幸い私の隣には誰も来ないので、このまま快適に大宮まで乗車できそうです。本庄早稲田と熊谷には止まらないので、あっと言う間に大宮に到着します。
 大宮駅で、発売保留中だった「ジパング花めぐり」が運転の見通しと言うことで、指定席券の発売が再開されたとの一方で、大宮駅の指定席券売機で「えきねっと」予約済の指定券を引き取ります。
 その後は、大宮から「湘南新宿ライン」に乗車して5分ほどで浦和駅に到着します。

あさま600号(長野6:02−大宮7:14)
 

湘南新宿ライン(大宮7:28−浦和7:33)
 
  
 浦和駅から快速春のとちぎレトロ日光h号に乗車します。始発の浦和駅は、湘南新宿ラインのホームから発車となります。車両自体は、尾久車両センター(尾久駅)から東北本線を走行し浦和の手前にある渡り線で湘南新宿ラインに入り入線してきます。。発車まであまり時間が無いので、浦和駅から旧型客車に乗車する記録だけ撮影して車内へ。混雑した通路を抜けて座席にたどり着く頃には発車の音楽も鳴り終わりました。旧型客車で湘南新宿ラインを走行するとは不思議な感じです。車窓には、並走する東北本線や京浜東北線の列車も見えます。「さいたま新都心駅」の脇を通過して列車は大宮へ。短い区間でしたが、旧型客車で湘南新宿ラインの旅を楽しめた価値は大きかったです。大宮を出ると高崎線と別れて東北本線を北上します。風景的には住宅街が続くのであまり面白みはありません。ただ、旧型客車でこの区間を乗車できるのはそうそうないので乗り心地の方を楽しみます。
 列車は東北本線を北上して、宇都宮駅に到着しあmす。宇都宮では25分ほど停車します。進行方向も変わり今度は、DD51-888が先頭になります。
 10時14分にDD51の力強いエンジン音が駅構内に響き渡り宇都宮駅を発車します。発車時の見送りも盛大で、快速春のとちぎレトロ日光号の本番は日光線に入る宇都宮駅からと思わせるほどの盛大ぶりでした。向きを変えた列車は浦和へ戻るような感覚になりますが、東北本線と分岐して単線の日光線に入ります。しばらくは住宅街が続きますが、そのうちに車窓は田園地帯に変わります。沿線で撮影する方も急に増え始めました。列車は、DD51のエンジン音が豪快に響く中を日光線を進みます。途中の鹿沼駅で列車交換のため停車します。この駅が日光線内での唯一のDD51先頭の編成写真が撮れる駅ですので撮影に向かいます。鹿沼を出ると杉林の中を列車は進みます。花粉が心配ですが、あらかじめ花粉の薬を服用してきて正解でした。杉林を抜けると再び田園地帯と住宅街が入り混じります。日光宇都宮道路と東武日光線と交差すると今市駅に停車します。今市駅を出ると杉林や住宅街の隙間から東武日光線の線路が見え隠れします。そして列車は、終点の日光駅に到着します。
 

春のとちぎレトロ日光号(浦和8:20−日光11:16)
 

浦和駅から旧型客車で出発
 

宇都宮駅で進行方向が変わります
 

日光に到着
 
  
 日光から205系の普通列車で宇都宮へ戻ります。空いているだろうと思いましたが、車内は最終的にはほぼ満席の盛況ぶりです。途中駅からの乗客も多く車内は次第に混雑がひどくなってきます。ロングシートも手伝って、ほとんど景色を楽しむ余裕もなく宇都宮到着します。
 宇都宮からは、東北新幹線で郡山へ向かいます。乗車するのは「やまびこ209号」です。号数から解るように停車駅の多いタイプの列車です。やってきたのは、E2系1000番台でしたが、コンセントの無い編成でした。北陸新幹線からはE2系は引退となりましたが、1000番台ながら東北新幹線ではE2系を使用する列車はまだ多く残っています。最後部の1号車の自由席は空いていて3列席のA席に余裕で座ることができました。新幹線の各駅に止まると言え、やはり新幹線は速いです。40分ほどで郡山駅に到着します。
 
 郡山からは、快速ジパング花めぐり号に乗車します。以前から乗車したかった485系「ジパング」にようやく乗車できます。この編成は、1号車と4号車が展望席(普通車指定席)で中間の2号車・3号車がリクライニングシート(普通車指定席)となっていて、485系3000番台リニューアル車に近い内装となっています。今回は初めての乗車となるので4号車の展望席に乗車します。なんと、指定された座席は一番前の席でした。とは言え、その前に展望席があるので眺めは良くないのですが、座席が窓に対して平行に設置されているので大して気になりません。
 列車は、定刻に盛岡駅を発車します。1号車・4号車の展望車は8割方埋まってますが、中間車は4割程度の乗車率でしょうか。それでも、花見山観光を終えた観光客が乗車すると予想される福島手前で、これだけの乗車率があるのは大健闘かと思います。列車は、春の東北本線を北上します。この列車は仙台まで運転されますが、私が乗車するのは福島まです。時間にして42分しかありません。展望席に座ったり、空いている中間車の座席に少し座ってみたりすると、もう列車は二本松を出ています。最後は、指定された展望席で春の東北本線の景色を見ていると、列車は福島駅に到着しました。
 
 福島駅からは、山形新幹線つばさ141号で米沢へ向かいます。山形新幹線なら1区間で35分ぐらいの距離ですので、自由席でも良いかと考えましたが、やはり自由席だと座れない可能性も考慮しないといけないので指定席を選択しました。新幹線と名ばかりで在来線特急と同じ扱いなので大した出費にもなりませんでした。ポイント稼ぎのために購入前に「えきねっと」で指定席を予約します。福島駅発車まであと25分の時点で、15号車はかなり余裕があったので窓側を選択しました。その後、特急券を購入して新幹線ホームへ。前回(昨年)、乗車時はE3系1000番台でしたが、今日はE3系2000番台が来ました。自由席も通路側なら空席があり座れそうな雰囲気でしたが、めったに乗らない区間ですので指定席窓側を選択して正解でした。スマホを充電して、E3系の板谷峠越えの景色を楽しみます。4月になって1週間ほどになりましたが、まだ所々に残雪が残っています。列車は、峠駅を通過してさらに山間部を進み関根駅を通過すると景色が開けて住宅地も多くなり列車は米沢駅に到着です。
  

日光線(日光12:01−宇都宮12:44)
 

やまびこ209号(宇都宮13:08−郡山13:48)
 

ジパング花めぐり号(郡山14:04−福島14:46)
 

つばさ141号(福島15:35−米沢16:09)
 
 米沢から米坂線で坂町へ向かいます。「つばさ141号」から米坂線への接続は7分と絶妙な時間です。15号車の指定席でしたので、降車後は足早に米坂線のホームへ向かいます。止まっていたのは、キハE120+キハ110の2連です。改札に近いキハ110の1人用席(進行方向)は満席でしたので、先頭のキハE120の一人掛け席を確保しました。米沢を出る際にはガラガラだった車内も、次の南米沢から高校生などが乗車してきました。さらに羽前小松でも乗車があり、ローカル線とは結構乗車があるものだと感心します。山形鉄道の乗り換え駅となる今泉駅で結構な下車があり、一気にローカル線の姿に戻ります。列車は、段々と山間部に入ります。小雨だった天気もみぞれに変わり、車窓には残雪も見られえるようになりました。山間を走るので、日も陰り辺りも薄暗くなってきます。列車は、少し開けて住宅が見られるようになると小国に到着します。少ない乗客がさらに下車して乗客は数名となりました。小国を出ると荒川に沿って進みます。もう車窓も薄暗く景色もよく解りません。乗降のない小さな駅も確実に停車してゆきます。越後下関かでようやく乗車してくる人が出てきました。そして、終点となる坂町に時刻通りに到着。
 
 坂町からは、32分と少し長めの乗り換え時間がありますが、普通列車新潟行に乗車します。新型のE129系4両編成です。私は、E129系に乗車するのは初めてですので少し緊張します。雑誌で見た通り、車内はボックスシートが少なくなりロングシートが多くなっています。ということで、空いているボックスシートを求めて車両を移動してようやく空いているボックスに座れました。何か首都圏の列車に乗っているような感じです。途中の新発田で大勢の乗客が下車しました。その後は、白新線に入り各駅ごとに乗車してくる人があり新崎あたりで多くの座席が埋まりました。阿賀野川を渡り東新潟を出ると急に景色が都会になり終点の新潟駅に到着します。
   

米坂線(米沢16:16−坂町18:29)

羽越本線・白新線(坂町19:01−新潟20:02)
 
新潟宿泊
 新潟では、駅近くのビジネスホテルに宿泊します。前回も宿泊したので、20時過ぎに新潟駅に到着しても迷うことはありません。夜は遅いのでカーテンを開けて景色等は見ていないのですが、翌朝にカーテンを開けてびっくりしました。
 なんと、上越新幹線と信越本線がよく見えます。おまけに高架工事中の在来線の様子も見ることができました。
 朝食付きのプランを申し込んだのですが、朝食もそこそこに窓から俯瞰撮影を楽しみました。ほとんどは、E129系の普通列車ばかりでしたが、115系の普通列車や特急しらゆき号もやって来て中々充実した朝の撮影となりました。
 現美新幹線と115系6連の普通列車を撮影してから、ようやく朝食会場へ向かいました。

こんな感じに高架化工事も見えます
 

しらゆき2号の回送
 

現美新幹線(回送)

115系6連
 
2日目【4月8日 土曜日】
 2日目は、SLばんえつ物語号からの乗車となるのでホテルを出るもの余裕があります。今日は、小雨降る中の乗り鉄になりそうです。ホテルから新潟駅まではなんとか傘をささずに移動することができました。
 改札を通りホームへ行くとEF81に牽引されたSLばんえつ物語号が入線してきました。本日は、583系さよなら運転等のイベント列車が重なることや、春休み終わり間も無いことも手伝ってか空いていてC57もすぐに撮影できました。
 撮影も終えて、編成最後部となる7号車のグリーン車に入ります。入口で車掌にグリーン券を提示しないと入ることすらできません。指定された座席でこれからの長旅の準備を終えたころ、新潟駅を9:30に発車したSLばんえつ物語は、会津若松を目指して進みます。今日は、冷え込んでいるところに生憎の小雨模様です。沿線のところどころにある桜の花は、昨年と違いまだ開花とはなっていません。車内は、普通車はガラガラなのと対照的にグリーン車のみほぼ満席となっています。
  列車は、新津から雨模様の磐越西線を進みます。まだ、沿線の木々も若葉も出ておらず今年の春は少し先になりそうです。列車は、桜の花が咲き誇ることで有名な花咲駅を発車します。昨年は、見事に満開の桜の木々を見ながら進みましたが、今年は蕾も小さく晩冬というような寂しい景色でした。列車は少し天候が回復した山都駅で少々停車。先頭部でC57を撮影しているともう発車時刻となり乗車、山都を出て一ノ戸橋梁を通過してしばらくすると、視界が開けて会津盆地が車窓に広がります。ただ、本日は磐梯山を見ることができずに残念です。喜多方を出ると磐梯山は雲に隠れて見えませんが、広々とした田園地帯を走行します。会津若松到着直前に車掌氏の挨拶があり列車は会津若松に到着します。
 
 会津若松からは、長野への帰路の旅となります。今この時間で、会津若松から安上がりにそこそこ早く帰る手段は新津経由です。磐越西線を戻る形になりますが、このコースが安い費用で長野へ戻れるのでこのルートを選択します。今度の磐越西線新津行は、キハ47形2連です。折り返し運転となるので、以前より早く乗車できるようになりました。会津若松を出た列車は、SLばんえつ物語号で来た道を戻ります。喜多方までは、そこそこ座席が埋まっていましたが、喜多方より先は降車する人がいるばかりで車内は次第に空席が多くなってきます。車窓は、どんよりとした曇り空でガラガラのキハ47形の車内も手伝って寂しさが増すばかりです。列車は、津川を出て五泉から乗車してくる人が出てきます。これから先は、停車駅ごとに乗車してくる人があり車内も賑わいを取り戻します。天候も次第に回復してきて空も曇りながら明るくなってきました。能代川を渡ると東新津に停車して終点新津駅に到着します。
 

SLばんえつ物語号(新潟9:30−会津若松13:35)
 

磐越西線(会津若松14:33−新津17:11)
 
  新津駅からは、新井行の快速に乗車します。乗り換え時間は7分と冬季以外ならちょうど良い感じです。さて、この新井行の快速列車、以前は快速くびき野4号の時刻で運転されています。なかなか良い時間帯を走るのですが、車両は115系3両編成。今日は、知人の方が3号車に乗っているので座れそうですが一人の時は座れるか心配です。乗り換え時間は7分ですので、ほどなくして115系3両の快速が来ました。案の定混んでいます。新津駅でも最初に並んだというか乗車口近くにいた人が座れただけです。私は、何とか知人の方のボックスに座れました。一息ついて車内を見ると見覚えののある車内です。本日は、115系N35編成です。車体は新潟色に塗り変えてありますが、車内は元長野車のままです。久しぶりに元長野車の115系に再会できました。車内は、新津を過ぎても混んでいます。加茂・東三条で降りる人は結構いますが、全員座れるまでの混雑の解消にはなりません。長岡では、結構降りる方が多かったのですが、それ以上に乗車してきて、長岡到着前より混雑しています。宮内と来迎寺で少し降りましたが混雑は続きます。柏崎で半分以上の乗客が降車して車内は一気に空席が多くなりました。これから列車は、海沿いを走るのですが、もう暗くなっていてどこを走っているのかもわかりません。直江津で、ほとんどの乗客が下車します。車内も閑散としていますが、逆に乗ってくる人もいて、1ボックスで一人〜二人という感じでしょうか。直江津からは、えちごトキめき鉄道に入ります。115系でこの区間に乗るのは経営分離後は初めてです。車両が元長野車の115系ということで何処か懐かしさを感じます。列車は、定刻に上越妙高駅に到着します。
 
 上越妙高駅からは、北陸新幹線で長野へ向かいます。この度最後の列車です。今度の東京行は、「はくたか576号」です。日曜夜の上りなので自由席の混雑が気になります。40分ほどの待ち時間を駅で過ごして、新幹線ホームへ向かうと「はくたか576号」が入ってきました。気になる自由席はガラガラ・・・。本当にガラガラでした。2号車は、数名しか乗車していない状態です。この「はくたか576号」は、上越妙高で数分停車します。停車中に後続の「かがやき516号」が通過します。金沢・富山から東京へ向かう人は、「かがやき516号」を利用するので「はくたか576号」は空いているのでしょうか。と言うと、そうでも無いようで指定席は結構座席が埋まっています。やはり、遠距離だと座席確保のため指定席の方が人気があるようです。「かがやき516号」に続いて、「はくたか576号」も上越妙高を発車します。途中、飯山駅に停車しますが、こちらも指定席の方の乗り場には何名か乗客が立っていましたが、自由席には誰も立っていませんでした。もう夜なので、トンネルなのか景色なのか解らないまま、あっという間に長野に到着します。上越妙高から23分では、せっかくのW7系の乗り心地を楽しむ暇もありません。
 
 こうして、久しぶりの1泊2日の旅行も乗り鉄に徹して無事に終了となりました。
 

快速(新津17:18−上越妙高19:29)
 

はくたか576号(上越妙高20:09−長野20:32)
 
 
使用乗車券

今回の旅でも、週末パスを利用しました。長野電鉄・しなの鉄道・えちごトキめき鉄道も利用できますので、これ1枚を購入すると、今回の旅では乗車券を別に購入する必要はありません。
 今回は、あまり広範囲を回ることはありませんでしたが、第3セクターや私鉄を利用したのも手伝って、かなりお得に乗り鉄ができました。ただ、乗車券のみで特急券・指定席券は別に購入せねばならず、安く上げるにはそれなりの工夫が必要になるかと思います。今回は、乗車するイベントの列車の都合で仙台や山形まで行かれませんでしたので、お得感は少ないかと思いました。(それでも、十分に安上がりなのですが、ついつい欲が出てしまって)