3:ガタゴト日誌(旅行記) 作成日:2010年3月3日(水) 

最後の「土日きっぷ」の旅

2010年2月27日(土)から1夜行2日 


「土・日きっぷ」で乗る最後の夜行列車の旅(急行能登号)
 

 3月末で廃止となる「土・日きっぷ」を使用した最後の遠征として、快速こがね浜街道号と快速八高線全通75周年記念号に乗車する旅行を計画しました。今回は、極力多くの新幹線車両を乗ることを中心に、在来線特急・急行にも乗車する「乗り鉄」重視の旅行となりました。

■1日目【2月27日(土)】
■東京と仙台を経由して山形へ
 須坂駅から長野電鉄の3500系に揺られて長野駅に到着します。長野から「土・日きっぷ」最後の旅が始まります。まずは、あさま504号で東京へ向かいます。1号車〜3号車の自由席はほどほどに乗っていますが、4号車の自由席はガラガラです。まぁ、いつもことですが。列車は、碓氷峠を下り高崎に到着します。流石は、高崎駅だけあって自由席はどの号車も乗ってきます。4号車もほぼ満席の状態で上越新幹線を走行します。大宮で、かなりの人が降ります。山形へ行くなら大宮で乗り換えるのが普通ですが、「土・日きっぷ」の特性を生かして東京まで乗車します。・と言うか、もうこんな乗り方は出来ません。
 
 東京駅からは「こまち9号」に乗車します。今日は、座面が前にも出る新しいタイプの編成でした。東京駅を発車して上野でかなり乗車して大宮で満席になりました。大宮をでるとめまぐるしく天候が変わる東北新幹線を走行します。「はやて」・「こまち」ですので、福島には当然停車しません。こちらも「土・日きっぷ」の特性を生かして仙台まで乗車します。E3系「こまち」の旅も十分に楽しみました。
 仙台からは、折り返しとなる新幹線Maxやまびこ110号に乗車します。自由席の2階は無理だろうな・・・。と思いましたが、試しに1号車を覗きましたら空席がありましたので迷わず乗車しました。仙台から福島まで、E4系新幹線Maxやまびこ号の2階席の景色を楽しみます。
 
 福島からは、やっと山形新幹線で山形へ向かいます。本日は、400系は団体列車に使用されるのでE3系が来ます。やって来たのは2000番台でした。早速、携帯の充電を開始します。乗車した新幹線つばさ177号は、臨時列車で全車指定席です。ここに釣られて乗車しました。もちろん、通常は自由席の17号車の指定席を確保しました。まだ、400系時代の風習が残るのか16号車・17号は空席だらけでした。12号車〜15号車号車とは対象的でした。板谷峠を越えて列車は、山形駅に定刻につきます。この列車は新庄行ですので2分ほどで山形を後にしました。
 山形駅で1時間ほど、左沢線のキハ110系を眺めて仙山線の快速で仙台へ向かいます。今度の列車は、E721系6連でしたので余裕で進行方向に着席できました。途中の山寺と愛子から大量乗車があり仙台にはかなりの混雑で到着しましたが、早春の仙山線の車窓は十分楽しめました。

あさま504号(長野06:37−東京08:28)
 

こまち9号(東京08:56−仙台10:37)
 

朝食に「チキン弁当」
 

Maxやまびこ110号2階(仙台10:44−福島11:12)
 

つばさ177号(福島11:24−山形12:43)
 

山形に到着
 

左沢線用キハ110系を撮影

仙山線快速(山形13:36−仙台14:56)
    
■イベント列車乗車後は再び東京へ
 仙台からは常磐線の特急スーパーひたち54号で原ノ町へ向かいます。本日は、11両編成ですので自由席も4両あります。余裕で座席の確保が出来るので先頭部の撮影を終えてから自由席付近へ行くと・・・。結構乗っている・・・。ちょっと焦りながら空席を探します。一番階段から遠い9号車がまだ空いていたのでここに席を取ります。
 仙台を発車した特急スーパーひたち54号は、快調に常磐線を進みます。本日は、都合(常磐線牛久駅での人身事故の影響)により柏駅にも臨時停車の旨が車内放送でありました。この区間でも特急スーパーひたち号(自由席)の利用は結構あるんですね。停車する駅から必ず何名か乗車してきます。私は、原ノ町駅で下車します。
 
 改札を出ると、ものすごい人が改札口の前にいます。まさか、この人達全員が快速こがね浜街道号に乗車するのかと驚きましたが、この人たちは快速お座敷うつくしま浜街道号に乗車するようです。私が乗車する予定が無かったのですっかり忘れていました・・・。
 こがね浜街道号は、常磐線で起きた人身事故のダイヤ乱れの影響で、先行の普通列車仙台行が接続待ちを行っている関係で発車できず、普通列車仙台行が発車した後に6分ほど遅れて発車しました。客層は、8割ぐらいが団体とパック旅行の乗客。1.5割ぐらいが個人旅行客、鉄道ファンはほとんど乗っていませんでした。もはや日が暮れて景色も見えなくなり、あとは気動車の乗り心地を楽しみながら仙台へ向かいます。岩沼から東北本線に入り列車は速度を上げて進みます。途中の長町駅で運転停車して、約10分遅れて仙台駅に到着しました。仙台駅では、すぐに駆け足で車内点検が行われ、終了後は直ちに引き上げました。
 
 仙台から東京へ戻ります。「土・日きっぷ」で豪勢に新幹線乗回しで来る事はもう無いでしょう。帰路は、もちろん「はやて」を選択。どうしてもE2系1000番台に乗車したいのですが、事前に編成が解る術も無いので0番台編成でも、せめて1000番台の気分を・・・。と言う事で8号車を選択。列車を待つと、到着したのは1000番台の編成でしたので安心して東京まで乗車できました。E2系1000番台はやはり乗り心地が良いですね。今度は何時乗れる事やら・・・。東京駅到着後は、夕食も兼ねて少々休憩します。

スーパーひたち54号(仙台15:15−原ノ町16:13)
 

こがね浜街道号(原ノ町17:08−仙台18:29)
 

夜の仙台駅から東京へ

はやて28号(仙台19:26−東京21:08)
  ※時刻は時刻表上の所定時刻です。 
   
■上野駅から夜行急行で直江津へ
 夜の上野駅・・・。22時30分を過ぎているのに13番線は大変な人出で賑わっています。この3月ダイヤ改正で、北陸方面の寝台特急北陸号と急行能登号の2列車が同時に消えます。混雑による安全確保のため急行能登号の発車ホームが本日から13番線に変わるため、13番線から発車する急行能登号を記録する人も大勢訪れています。まずは、寝台特急北陸号の撮影を・・・。こちらは思うほど難無く撮影できました。
 続いて急行能登号が入線してきます。489系9両編成で、両端の先頭車がボンネット型で人気があり撮影の人も増えています。まずは、9号車の自由席に座席を確保します。9号車は、R55型リクライニングシートに交換されているので快適に乗車できます。座席を確保してから撮影に出たのですが、やはり一歩出遅れる感じとなり撮影には苦労しましたが、何とか時間一杯撮影しました。
 
 上野から急行能登号で直江津へ向かいます。定期運転の急行能登号に乗車するのは今回が最後になるでしょう。夜の東北本線を進み大宮で日が変わります。ここで東北本線からの接続待ちで少々遅れての発車となります。高崎線を進み熊谷を出ると消灯となります。やはり急行能登号は、ホームライナー的な利用もあるようで、熊谷での降車も結構ありました。続いて停車する高崎でも結構降りました。高崎では少々停車するので撮影をします。人も少なく良い感じで撮影できました。
 高崎を出ると上越線を進みます。ここで少々仮眠を・・・。強めのブレーキで起きると、列車は宮内駅に停車しました。隣の線をEF81に引かれた寝台特急北陸号が金沢へ向け通過しています。こちらは、車内放送休止時間のため停車したまま何の音沙汰もありません。しばらくして、ブレーキが緩まる音がして長岡へ向かうかと思いきや進行方向が変わりました。本日は、長岡駅に入らずに宮内駅で折り返し信越本線を進みます。
 
 ここまで来るともう寝る事は出来ません。ここで寝ると間違いなく富山あたりまで寝てしまうでしょう。睡魔と闘いながら過ごしていると列車は柏崎を通過します。ここからは風の難所ですが、今日は無事に通過しました。降車予定の直江津には、宮内駅での長時間停車が響き10分遅れで到着しました。これで、高校時代にB寝台で碓氷峠を越えたいばかりに長野から直江津まで出て乗車した客車時代、上野から長野まで自由席車内で立ち通した489系白山色編成の信越本線時代、国鉄色に戻りガラガラの車内で座席を回転させて快適に過ごした上越線経由の現在・・・。そして、本日の直江津到着で定期の急行能登号とは最後の別れになります。去り行く489系を見るとちょっと寂しいな・・・。と感傷に浸っていのも1〜2分でした。だって、凄い編成が構内に・・・。

夜の上野から夜行列車で出発
 

寝台特急北陸号を撮影
 

急行能登号(上野23:33−直江津04:13)

消灯された急行能登号車内
  ※時刻は時刻表上の所定時刻です。 

■2日目【2月28日(日)】
■直江津から青梅へ
 早朝の直江津駅から583系使用の急行きたぐに号に乗車します。急行能登号から急行きたぐに号という定期夜行列車同士の乗り換えももう出来なくなります。(臨時急行能登号運転時は可能ですが、あくまでも臨時列車ですので・・・。)
 急行きたぐに号は、大阪駅始発で運転されてきます。自由席は4両ありますが座る事が出来るか心配でしたが、直江津から北越急行線に乗り継ぐ乗客も多く進行方向窓側に座る事が出来ました。ゆったりとしたボックス席座り長岡を目指します。途中から早朝の日本海をみながら列車は進みます。583系から見る日本海は格別でした。
 
 長岡から上越新幹線で高崎へ向かいます。200系使用の「とき306号」に乗車します。各駅停車ですので車内はガラガラでした。本日は、リニューアル色の編成で運転されました。国鉄色のK47編成の登場を期待しましたが、そうは上手くはゆきませんね。途中の浦佐や越後湯沢では本格的な雪模様でした。大清水トンネルを抜けると嘘のように雪が無くなり列車は高崎に到着します。
 高崎からは、八高線全通75周年記念号に乗車します。列車名の通り八高線全通75周年を記念した列車で、八高線を12系客車で旅をします。高崎駅8番線には、大勢のファンが列車の到着を待っていました。撮影が終わる頃にちょうど発車時刻となり、DD51のホイッスルが鳴り響き列車は高崎駅を発車します。車内は、少しの空席がありますが、12系客車3両ということもありほぼ満席の盛況です。あいにくの曇り空の天候ですが、八高線の客車列車の旅を楽しみます。終着の高麗川駅は、駅舎改築工事の真っ最中でホームが短く撮影すら困難でした。
 
 高麗川到着後は、一旦駅裏へ八高線全通75周年記念号の留置を撮影してから青梅へ向かいます。八高線に揺られて拝島へ。ここで、ネットでお世話になっている方から201系の情報を頂いていたので、201系使用の青梅特快を撮影後に青梅線で青梅へ向かいます。駅に停車する度に降車客が多く、青梅に着く頃には最後部(1号車)は2人しかいませんでした。

急行きたぐに号(直江津06:17−長岡07:14)
 

583系から見る朝の日本海
 

とき306号(長岡07:34−高崎08:32)
 

八高線全通75周年記念号(高崎09:35−高麗川11:26)
 

八高線普通列車(高麗川12:19−拝島12:46)
 

拝島で201系電車を撮影
 

青梅線普通列車(拝島12:51−青梅13:09)

青梅に到着
    
■「土・日きっぷ」の旅の集大成
 青梅駅到着後は、青梅鉄道公園を見学します。規模的には小規模で展示車両も連結状態で展示されているので、撮影の時間も掛からず10分程度で終了しました。もう少し長く見学したかったのですが、時間的に余裕が無いので仕方ありません。次回は、ゆっくりと乗車したいです。帰路は、上手くすれば201系に乗車できるかもと、教えて頂いたので、下り坂を走って走って走りぬいて発車3分前に青梅駅に到着しました。ホームには、オレンジ色の201系が停車しています。すぐに撮影すると、もう懐かしいアニメの発車メロディーが・・・。帰路の青梅線は、なんとも嬉しい201系の乗車となりました。後ろ髪を引かれつつ、拝島で八高線に乗り換えて高麗川駅に向かいます。情報を提供していただいた某氏様には感謝です。
 
 高麗川駅に戻り、帰路も快速八高線全通75周年記念号に乗車します。高麗川駅は改築工事中で、撮影できる場所も限られてきます。今回は、入替前の移動を撮影出来ただけでした。しかも、定期列車の合間を縫うので入線が発車の2分前と言う慌しさです。
 高麗川を発車した八高線全通75周年記念号は、往路よりも若干空席が多い感じがします。後は、ひたすら12系客車に揺られて高崎へ戻ります。とは言え、八高線でDD51プッシュプル運転の12系客車の旅ですので、ある意味大変贅沢な時間だったかと思います。車窓も西日が差してくると終着の高崎駅に到着します。高崎駅では、僅かの停車で高崎車両センターへ引き上げました。
 
 高崎からは、最後の「土・日きっぷ」の乗り放題の特性を利用して東京へ向かいます。今回の旅では、まだE1系に乗車していないので、どうしてもこの旅で乗車しておきたかったのです。指定席は、前日となる昨日の朝5:30に2階席の窓側を取りました。新潟からのE1系はほぼ満席でした。12号車の2階席には、私の席とその隣の席だけ空いていました。高崎で12号車から2名降りたので、その席が割り当てられたのでしょう。E1系の2階席から夕日を見ながら東京へ向かいます。
 
 東京からは「土・日きっぷ」最後の列車となる、あさま541号に乗車します。東京駅からだと2号車の有楽町側の乗車口が空いているで、そこに並び余裕でA席に座れました。東京駅を発車する「あさま」から都心の夜景を見ながら長野へ戻ります。次回からは、「ウィークエンドパス」に変わり無駄な乗車は出来ないので、この光景を見る機会も減りそうです。途中の大宮〜高崎まで混雑して満席になりましたが、高崎からはガラガラになり余裕で「あさま」の旅を楽しめました。碓氷峠を越えて軽井沢・佐久平・上田を過ぎて五里ヶ峯トンネルを抜けると、長野の夜景が見えてきます。
 これで、JR東日本発足記念に発売された「E・Eきっぷ」以来、フリーエリアを縮小しながらも続いてきた、新幹線まで乗り放題の企画乗車券での旅も最後になります。長野駅に到着し自動改札に「土・日きっぷ」を通した瞬間、私の「土・日きっぷ」の旅は終わりました。この旅行が最後の集大成となりました。

 長野からは、長野電鉄の8500系に揺られながら旅の余韻に浸り須坂駅に到着して全行程が終了しました。今回は、多くの方の情報に支えられて無事に終了出来ました。また次回(今のJR東日本の体質ではないと思いますが)、奇跡的に同じような効力の企画乗車券が発売されましたら是非利用したいです。

青梅鉄道公園を見学(12分)
 

青梅線普通(青梅13:44−拝島14:01)
 

八高線普通(拝島14:21−高麗川14:45)
 

八高線全通75周年記念号(高麗川15:12−高崎16:59)
 

Maxとき334号2階(高崎17:09−東京18:00)

あさま541号(東京18:24−長野20:13)

■さよなら「土・日きっぷ」
  

姿を消す「土・日きっぷ」
 今回の旅行では、久々に「土・日きっぷ」を使用しました。長く親しまれた「土・日きっぷ」も、3月一杯で廃止となり「ウィークエンドパス」に変わります。(今回の旅が最後の使用になります。)
 「ウィークエンドパス」は、「土・日きっぷ」とほぼ同じフリーエリア(現行エリア+古川〜くりこま高原:会津鉄道の西会津〜会津田島が追加)ですが、新幹線を含む特急券・急行券は別購入となり、乗車券専用のフリー乗車券となります。このため、通常の使い方でも長野からですと、新幹線利用で2万6千円〜3万円前後となり、大幅な値上げとなります。今後は、あまり南東北地方への遠征旅行は出来そうもありません。
※MVで購入も磁気異常で指定席券売機に跳ねられ、窓口のマルスでも★が付けられず指定席発行印が押されています。