さよならゆとり奥利根号の旅

さよならお座敷列車と碓氷峠トロッコ列車の旅
2008.3.2

さよならゆとり奥利根号
   

 国鉄初の欧風客車「サロンエクスプレス東京」時代からお座敷客車「ゆとり」と車両の特性は変わりましたが25年間にわたり活躍した「ゆとり」がいよいよラストラン運転をする事になりました。

 今回は、「さよならゆとり奥利根」に乗車して「ゆとり」との惜別乗車としました。実際の乗車は復路のみですので、往路は横川の「鉄道文化むら」に立ち寄る事にしました。

    

■碓氷峠を越えて横川へ

 須坂から長野電鉄に乗車して長野へ向います。8500系3連の須坂始発ですので余裕で座る事が出来ました。日曜ということもあり車内は長野まで空いていて、久々に8500系の走行音も楽しめました。

 長野からは、新幹線あさま512号に乗車します。長野駅の発車番線は11番線で、久々に11番線から東京方面行の新幹線に乗車します。自由席は4両あるので空いていましたが、上田・佐久平からの乗車が多く佐久平で相席となりました。それも1駅区間だけで軽井沢に到着しました。やはり、軽井沢は長野と違い冷え込みが厳しいです。軽井沢で降りたのは2名だけでした。

 軽井沢からは、JRバスで横川へ向います。今回は、観光バスタイプのバスでしたので快適に横川まで行かれそうです。軽井沢を出る時点での乗客は5名だけでした。碓氷バイパスをゆっくりと下ってゆきます。計ったのような正確な時間に横川駅前に到着しました。バスを降りた瞬間に気温の違いに驚きました。軽井沢より暖かいです。

あさま512号(長野8:21−軽井沢8:54)

JRバス碓氷線(軽井沢9:10−横川9:44)

       

■早春の鉄道文化むらと碓氷峠

 横川駅から歩いて数分の「碓氷峠鉄道文化むら」に来ました。入口で入園券を購入したところ「トロッコ列車はのりますか?」ときかれたので、11:58の高崎行に間に合うか聞いたところ11:50に文化むらに到着するという事ですので乗車を決めました。これは予想外でした。

 時間は9:48です。トロッコの発車は、10:00です。12分しかないので急いで写真撮影を行います。ここへ来たメインは、修復作業を終えて「あさま色」に塗装されたクハ189−5とモハ189−5です。保管場所に到着してさっそく撮影を始めます。大変美しい「あさま」色に塗装されていて感謝感激です。その他に国鉄色のクハ189−506等を撮影してトロッコ乗り場へ行くとすでに発車2分前になっていました。

 これからは、昨日(3/1)から運転を再開したトロッコ列車で「とうげのゆ駅」まで1往復します。旧信越本線の線路を活用したもので、トロッコ列車ながら懐かしい車窓を見ることが出来ます。往路は、丸山で5分停車して変電所跡を見ることが出来ました。帰りも、「とうげのゆ駅」からトロッコに乗車します。朝1番の列車でしたので、往復とも進行方向右側の窓側に座れました。まだ寒いので、トロッコ車両もはめ込みガラスを装備して運転されています。「ぶんかむら駅」には1分ほど遅れて10:51に到着しました。

 短い滞在でしたが、鉄道文化むらを出て横川駅に向います。

鉄道文化むら

189系あさま号(国鉄色)

美しく整備されたEF63と189系

189系あさま号(あさま色)

展示車両スペース

トロッコ列車で峠の湯まで1往復しました。

      

■まだ雪深い水上へ

 鉄道文化むらを出て横川駅に着いたのは、10:55で発車2分前でした。ちょっと綱渡り的な移動で冷や汗をかきましたが、思わぬトロッコ列車の往復乗車が出来て展示されている189系の撮影ともども有意義な時間でした。

 横川からは、107系に揺られて高崎へ向います。まだ、「鉄道文化むら」や碓氷峠の散策からの帰宅には早い時間ですので、車内は数人しか乗車していません。のんびりした昼前のローカル線の旅を楽しめるかと思いましたが、松井田から多くの乗客があり磯部・安中からも多数の乗客で立席が出るほど混雑しました。やはり、信越本線(群馬側)は高崎への通勤や買い物客で混雑する路線だと改めて実感しました。

 

 高崎では待ち時間が44分もあります。乗車券は、横川→水上で買ってしまい「途中下車前途無効」という事で改札からは出られません。駅構内で時間を潰すにも・・・。とその時、回送列車が到着するとの放送が・・・。何が来るのか待って見ると検測車が来ました。EastiEだろうと思っていたら、EastiDでした。これは驚きました。まさか、高崎でEastiDを見ることが出来るとは思いませんでした。(冷静に考えれば八高線の関係で高崎まで来ても普通ですが)

 私の場合は、飯山線や信越本線といった長野地区でしか見ることの無いEastiDですが、まさか高崎で見ることになろうとは・・・。115系湘南色や107系との並びも撮影できて、長い乗り換え時間もあっという間に過ぎました。

 
 高崎から上越線の普通列車に乗車します。115系3連で、最初のうちは空いていましたが接続列車が到着すると一気に混雑しました。それもそのはずで、この列車は水上で長岡行に接続となっています。あれよあれよと、混雑して立席客も多くなった頃に高崎を発車します。私は、進行方向左側の窓側に座れました。途中、新前橋・渋川で多少の降車客がありましたがまだ車内は混雑しています。車窓からは美しい山々が見渡せます。線路端に視線を移すと、すでに「ゆとり」を撮影するために大勢のファンが待ち構えています。水上に近づくにつれて雪が多くなってきます。後閑駅で大勢の乗客が下車して車内は一気に空きました。

 終着の水上に到着すると、すでに「さよならゆとり奥利根」が2番線に停車していました。この関係で、到着・発車ホームが変更になっていてホームはかなり混みあいました。

普通列車(横川10:58−高崎11:29)

高崎に停車中のEastiD

107系(右)とEastiD(左)

普通列車(高崎12:15−水上13:17)

              

■さよならゆとり奥利根号(Bコース:水上14:08−上野17:29)

 高崎から普通列車で水上に到着すると驚きました。上野側の機関車がEF64ではなくEF65−1118となっていたからです。今回の「さよならゆとり奥利根」に関しては、EF64−36とEF64−39のプッシュプルと聞いていたのですが、実際はEF65−1118とEF64−39のプッシュプルでした。水上側のEF64−39(後部)にヘッドマークが取り付けられていたので、後部の方に人が集まっています。

 私も、さっそく写真撮影を始めます。一通り撮影が終わる頃になるとドアが開いて乗車できます。この列車は、全席が「びゅう」の旅行パックで販売されている事実上の団体臨時列車ですので、水上を発車すると上野までドアが開きません。

 水上を14:08に発車した列車は、上野を目指して走ります。上越線を順調に走り新前橋で1分停車して、さらに高崎で12分停車します。ホームでは大勢の人が撮影をしています。こちらはホームに出られないのでただ待つしかありません。高崎を出ると高崎線に入ります。沿線で撮影する人も増えてきます。高崎線を順調に走ったかと思えば、熊谷で17分間の長時間停車をします。続いて、宮原でも17分ほど停車します。追い越していく普通列車には撮影を終えた方々が乗車しているようです。宮原を出ると、大賑わいの大宮に到着します。
 大宮を出ると、東北本線に入りラストスパートをかけます。これより先は、当たり前ですが停車駅はありません。車内では、サロンエクスプレス東京時代からの歴史の放送もあり、耳を傾けていると列車は尾久車両センターを見ながら尾久駅を通過します。上野駅地平ホームへ向けて、右へカーブしながら下ると見慣れた上野駅地平ホームに到着しました。

>>詳しくは、乗車記をご覧下さい。 

EF65−1118が先頭で上野へ。

お座敷客車「ゆとり」

後部は、EF64−39でマーク付き

「ゆとり」のヘッドマーク

           

■長野への帰路

 上野で「さよならゆとり奥利根」の引き上げを見送り、一旦改札を出て用事を済ませます。その後、京浜東北線に乗車します。何本か209系を見送るとE233系が来ました。夜間ですので遠くからでもヘッドライトでよく解ります。京浜東北線用のE233系には初めて乗車しました。自動放送も新鮮で、次回は快速運転中の放送も是非聴いてみたいです。東京駅で下車して日本橋で用事を済ませ帰路につきます。
 
 指定を買ってあった新幹線あさま545号にちょうど良い(というかギリギリ)で間に合いました。ホームに行くとまだ車内整備中で乗客もソワソワしています。やっとドアが開いて乗車が終わる頃、東京駅を発車しました。A席を確保するとC席に人が来てB席は空いている事が多いのですが、今日はB席も埋まっています。結構乗っているようで、自由席の方が空いていた可能性もあります。今日は疲れていたのか、大宮を出たあたりから爆睡してしまい長野到着放送まで寝ていました。これは大変勿体無いことをしました。長野駅に降り立つと、東京に比べてやはり寒いですね。
 長野からは、B特急に乗車して須坂に戻ります。今日は、マルーン色のA編成でした。車内は、権堂からの乗車が多く窓側は進行方向席に関係なくすべて埋まったようです。短い日帰り旅行も終了して無事に須坂駅に到着しました。

京浜東北線E233系(新型車両)

あさま545号(東京19:04−長野20:42)